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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第262話 文化祭U パーフェクトウェイター(執事?)
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。ここメイド喫茶なのに、なんで野郎がいんの?」
「こちらは、現在 メイド・執事喫茶となっています。……あちらの表示をご覧ください」
指し示す先にあるのは、いつの間にか看板が変わってしまっている表示。
メイド・執事 と言う表示は元々無かった筈だけど、と少し頭に『?』が浮かんだリュウキだったが、?にも出さなかったのは流石だ。(後々に、追及はすると思うが)
そんな対応をされて、当然男達は和やかなる筈もなく、怒りのボルテージだけが急上昇し始めるだけだった。
「……ナめてんのか、コラ。こっちは客だぞ」
「先程 申し上げた通り、当店でもてなせるのは 紳士な方々でございます。―――申し訳ございません。大変失礼ですが、当店では、お客様方をもてなす用意は出来ません」
止める……にしても、振る舞いは普段とは違うモードに入っている様だ。
だが、楽観的には見てられない。幾ら仮想世界では無敵を誇る男だからと言って、ここは現実世界。ソードスキルも無ければ超人的な動きも出来ない。ましてや相手は2人もいるのだから。
リズを初め、震えていたシリカや、表情を強張らせたシノンは 助けに来てくれた事はとても嬉しい反面、危ないと止めそうにもなっていた。
レイナもアスナも、慌てて駆けつけようとしていた。
だが、そんな心配は……数秒後に消え去る結果となる。
「黙ってろや! クソガキが!!」
こういった手合いの男は沸点が低いのが常。瞬間湯沸かし器の如く達した男の頭は 直ぐに行動へ移す様に身体に命令を下した様だ。即ち暴力と言う手だ。
『っっ』
『リュウキ君っ!!』
思わず思い切り振りかぶって拳を突き出した……のだが。その拳がリュウキの身体に当たる事は無かった。
「お客様。他のお客様方のご迷惑になりますので」
男の左側にいつの間にかいた。目の前の男にとってみれば、見えなかったと言って良いかもしれない。
言葉にするなら 動きは最小限度に、最短を最速で動いただけの事である。
つまり無駄な動きは一切せず、淀みなく流れる様に……。相手だけでなく見ている者もまるですり抜ける様に……って、貴方はいったいどこの武道家ですか? と言っても良い気がする。
「て、テメェ!!」
おちょくられたとでも思ったのか、更に激昂して掴みかかろうとするのだが、それもリュウキは同じ動きで回避。
ただ、今回は 相手に勢いがある為 そのままにしておくとテーブルに突っ込んで滅茶苦茶になりそうだったので、腕を取って捻り上げた。
「ッッ!! あぐ!! い、いててててて!!!!」
鈍い痛みを腕に感じる。痛みと同時に怒りも湧いてくるが、それ以上に感じたのは、このまま腕を折られてしまうのでは? と言う思いだった。
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