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気まぐれ短編集
金色の秋 
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 からな秋はあいつと出会った季節ではあるけれど、あいつを奪った季節でもある。
 私が初めて愛した人を、秋は一カ月足らずで奪ってしまったから。
 秋は終焉、死への旅路。あらゆる命がついえていく季節。
 命というものは、終わる瞬間に何よりも美しく輝くというけれど。


 でも――終わったら、意味ないじゃないか。


 あいつは私の心に、確かな光を灯してくれたのに、どうして。
――お前は、死んでしまったのだろう。
 ああ、また秋が来る。私の嫌いな、秋が。
 そしてそのたびに私は、あなたと出会ったあの秋を、思い出すのだろう。

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