猫娘と期末試験編
NO.062 期末試験の翌日
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「確かに……確かにクリアしたら合格とは言ってなかったもんなー……クリアできずより恥ずかしいぞ、これ……」
「瀬呂くん、ガンバ……」
「ありがとう緑谷……」
顔を抑えて落ち込む瀬呂に出久が慰めの言葉をかけていた。
「今回の試験は我々ヴィラン側が生徒たちに勝ち筋を残しつつも、どう課題に向き合うかを見させてもらった。そうでなければ、お前らの今の実力じゃ合格できたからと言って慢心しないためにここではっきりと言っておくが詰むやつらが多かっただろうからな……」
「本気で叩き潰すというのは……」
「当然追い込むためだ。はなからぬるい演習内容だったらお前らは必死にすらなんねぇだろ? そもそも林間合宿はお遊びに行くんじゃない。強化合宿だ。そこんところを勘違いしている生徒が多いようだったみたいだがな……だからな、赤点を取った奴らこそがここで力をつけてもらいたんだ。まぁ、ようするに……合理的虚偽って奴さ!」
「「「「「ゴウリテキキョギィーーーーー!!」」」」」
相澤のその言葉によって万歳三唱をしまくる赤点生徒たち。
だが、納得できない生徒が一人。
「またしても……またしてもしてやられた! さすが雄英だ! ですが! 二回も虚偽を重ねられると信頼が揺らぐのではないかと!!」
飯田がそこで席を立ちながら相澤に進言する。
「飯田の意見はごもっともだ。確かに、反省はする……だが、ただ全部は嘘ではないってだけだ。赤点は赤点だ。よって赤点者達にはもれなく別途に補習時間が設けられている」
それを聞いて喜んでいた五人の動きがピタッと止まる。
恐怖。なんという恐怖!
相澤から話される次の言葉に戦慄を感じながらも聞かないわけにはいかないのが生徒の役目。
「隠しても仕方がないが、ぶっちゃけると雄英に残っての補習よりキツイからな。地獄に身を投げる覚悟だけはしておけ。いいな……?」
ニヤッと愉悦の笑みを浮かべる相澤。
その笑みは教師としてどうなんだ!?と言わんばかりの表情に、赤点を取っていない者達でさえ五人に同情の眼差しを贈らざるえないのであった。
「そんじゃ……気を取り直して合宿のしおりを配っていくから後ろに回していけ」
淡々と進められていく時間が、返って五人にはまるで断頭台に歩いていくような、そんな空気を感じざるえなかった。
表情が暗いこともさることながら、嬉しいのか悲しいのか分からない。
そんな気持ちの現れでもうどう表現していいのか分からない。
ただ、一言……相澤は鬼だ、と改めて思わずにはいられなかったとは五人の後の発言である。
「まぁ、なにはともあれ……全員で林間合宿に行けるのはよかったね」
尾白のその発言に複雑な気持ちながらも頷く一同。
しおりを見ながら話し合う姿が見られる。
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