第一章 護れなかった少年
第三十五話 選択(前編)
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る。
それを見たザザとジョニーブラックがメイとケイの猿轡を外す。
「プハッ、このよくもみんなを......!! アンタラ絶対許さない!! 覚えてなさいよ!!」
「......」
メイはPoh達に噛みつき、ケイは沈黙している。
「さぁソラ、どっちを殺せばいいんだ? 俺たちに教えてくれないか?」
Pohはその一切を無視し、こちらに語りかけてくる。
......選ばなきゃならない。二人から。この世界では感じるはずの無い吐き気を感じる気さえするこの選択。
なんだこれ。僕はただただそう思った。
今の状況が理解できなかった。ただ救いたかっただけ。そう、それだけなのだ。何を犠牲にしても、この二人だけは助けたかった。それだけなのだ。あの時、僕を見捨てないでくれた二人だから。今度は僕がその大恩に報いるんべきなんだと、今度は僕が護るんだと。
......なのに、結果はこれだ。僕はねじ伏せられ、こうしてどちらか一人を切り捨てる理由を考えている。こうだったから仕方無いと。どうしようもないから、どちらか選ぶのが難しいから、その理由を探している。少しでも罪悪感を少なくするために。二人の粗を探している。
(助けると、誓ったはずなのに......!! 僕は、自分が死なないからと安心して粗を探しているッ......!!)
ギリィ、と奥歯が音を立てる。何だコレ。何なんだコレ。僕は救いたかった。僕は今度こそヒーローになれると思った。護りたいものを護って、悪を許さない。勧善懲悪。夢だ。僕の夢だ。夢だったんだ。護る。誓った。今度こそ。護るつもりだった。今度は。僕が助けて。それで終了のはずだった。結果は。結果はどうだ。駄目だった。弱かった。弱かったんだ。あの頃と何も変わらない、無力のままだ。僕は、僕は僕は僕は無力で弱くて助けたくて助けられなくて護りたくても護れなくて無様に地面を舐めて護るはずだった大事な人を切り捨てて生き残ろうとしててそんなのはヒーローじゃなくてヒーローは強くてかっこよくて護れて僕は弱くてかっこわるくて護れなくてあれ真逆じゃないか僕は何をやってるんだ助けなくちゃ助けなくちゃいけない護らなきゃいけないやるんだやらなきゃでももう何も出来なくて護るためには屈して片方を殺すしか無くて僕は僕は僕は僕は僕僕僕僕僕どうすれば何も出来ない強いんだ僕は誰よりも強くてネオンだってリズだって護れたんだ今度だって護れるそう護れるはずなのに何だコレ何だコレ何だコレなんだコレなんだコレなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなんだこれなん
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