彼女の正体は・・・
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は・・・全てのドラゴンを倒します」
固い決意を露にした少女。そんな彼女に、ドラゴンはあるものを渡そうとした。
「これを持っていけ・・・力になれるかもしれん・・・」
そう言って差し出したのは、滅竜魔法を使えるようになる魔水晶。しかし、ヨザイネはそれを弾き飛ばしてしまった。
「いりません。例えあなたがいいドラゴンだとしても、私はあなたたちを滅ぼすのだから」
大切な家族を失った彼女は、天使でも、人間でもない存在になってしまった。それが彼女が堕天使と名乗る理由。
そして、彼女がその場からいなくなった直後、奇跡が起こった。
ピカッ
突如ヴァッサボーネとシリルの手につけられた指輪が輝きだしたのだ。天使の行った額へのキス・・・それはこの世界の一なる魔法“愛”として、奇跡を起こした。
「うぅ・・・」
命尽き果てたはずのヴァッサボーネ。だが、彼はヨザイネの愛の力と、彼女が残してくれた愛の賜物の共鳴により、生き返ったのだ。
「貴様・・・生きているのか?」
「・・・ヨザイネは?」
ドラゴンが話しかけてくることよりも、最愛の女性がいなくなっていたことを気にかけるヴァッサボーネ。二人の愛の輝きを見たそのドラゴンは、あることを提案した。
「私はまもなく死ぬ・・・お主の肉体ももう終わりだろう」
ドラゴンの強襲から息子を守るために身を呈した彼の体はボロボロだった。意識を取り戻したとしても、生きていくことなど不可能なのは火を見るよりも明らか。
「我の肉体を使う気はないか?」
「え?」
予期せぬ提案に頭が混乱している。そんな彼を置き去りにして、ドラゴンは話を続けた。
「我の体を使えばあの少女もすぐに探し出せる。そうだ、その子を守ることもできるはずだ」
だが、もう人間として生きていくことはできない。大きな決断を迫られたヴァッサボーネ。だが、彼の答えは決まっていた。
「くれ、その体」
息子を、最愛の人を守れるのならば、人間でなくてもいい。きっと彼女もわかってくれる。そう信じ、彼はドラゴンの肉体へと魂を乗り移らせた。
だが、結果は知っての通り・・・堕天使と化したヨザイネとドラゴンとなったヴァッサボーネが再会することはできなかった。やがてアクノロギアの登場により竜王祭は終わりを迎えた。
そしてヨザイネは大切な二人との思い出があるこの地を、二人の最期を思い出さないためにと離れ、ヴァッサボーネは彼女を探しながら、シリルに滅竜魔法を教え、彼の成長を見守ってきた。
二つの指輪を、二人の初めての出会いの地に残し。
「お・・・お母さん・・・ってこと?」
ヨ
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