彼女の正体は・・・
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礼します!!」
ぺこりと一礼してその場を後にしようとする。だが、ヴァッサボーネはそれを引き止めた。
「君は?」
立ち止まった少女。彼女は振り返り、幼さの残る笑顔で答えた。
「ヨザイネと言います。以後、お見知りおきを」
ヴァッサボーネの前に現れたのは、人間へと変化したヨザイネだった。彼女のその笑顔を見た青年は胸が熱くなるのを感じた。
「ヨザイネ・・・か」
「ヨザイネ!!何をやっているんだ!!」
地上から戻ってきたヨザイネを待っていたのは、大切な友からのお説教。
「人間の姿に変化して地上へ降りるなど・・・いや!!自分の名前を人間にばらすなど言語道断だぞ!!」
大切な友であるがゆえに厳しい言葉をかけているのはヨザイネもわかっている。だが、彼女はこの時クロノスの言葉に耳を貸してはいなかった。
(ヴァッサボーネって言うんだ・・・カッコいいなぁ・・・)
上の空で聞いていたヨザイネ。それにはクロノスも気が付いていた。ボケッとしている彼女の表情を見たクロノスは、説教をするのをやめてしまう。
「もういい!!だが、これだけは忘れるな。もし人間と結ばれようとするならばその時は・・・」
鋭い眼光が友を捉える。しかし、彼女の表情を見てクロノスは奥歯を噛み締めた。
「・・・お前は天界から追放されるぞ」
そうは言ってみたが、彼女の決意は固いことはわかっていた。ヨザイネは間違いなくこの後も地上に出向き彼と仲を深めていく。恐らく・・・天使として永遠に生きることをやめ、人間として暮らしていこうと思っているのだろう。
(もしお前がそれを選ぶのであれば、私にも考えがある)
それから人間の時で1年が経過しただろうか、ヨザイネはいつもの通り一目惚れした青年の元へと向かっていた。
「♪♪♪」
鼻唄混じりで、軽い足取りのヨザイネ。彼女はもう天使として生きていくとなどできないのはわかっていた。いつ全ての天使をまとめあげる神から追放の言葉を言われるのか、内心ドキドキしていた。
「あれ?今日はまだなんだ」
待ち合わせの場所へと着いたヨザイネは、かの青年よりも珍しく早く着いたことに内心びっくりしている。そのまましばらく待っていると、足音が近付いてくるのを感じた。
「ヨザイネ」
「ヴァッサボ・・・」
やっと来たと思った愛する人。しかし、目の前にいたのは人間の姿をした一番の親友。
「ヨザイネ、これがどういうことかわかる?」
そう言ってクロノスが見せたのは、彼女の魔力によって捉えられているヴァッサボーネの姿。
「クロノス!!どう
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