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Re:ゼロから始める士郎の生活
六話 異端と歩み寄る影
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状態を維持する。
何の音?
こんな夜中に、それもこんな生々しい音…嫌な予感しかない。

ぐちゃぐちゃ。

少し、音が変化した。
とても嫌な音だ。不快な音だ。
そして、それは少しずつ近付いてくる。

ぐちゃぐちゃ、グチャ。

この音は、生き物の音だ。
そして『肉』の音だ。肉を咀嚼する音…肉を無理矢理引きちぎり音────。
月の光を遮っていた雲達は晴れていく。そして、そこに映し出されたのは一人の女だった。
とても美しく、真っ赤な液体が滴る妖艶な女だった。
「あら、見られちゃった」
外見と同様、声も妖艶だ。そして、この耳にしたフェルトとロム爺は戦闘態勢に入る。
「そんなに構えなくても大丈夫、私は貴方達に何の興味も無いから」
そうやって笑みを浮かべ、コチラへ近付いてくる女。
「そこを通してもらえるかしら?」
「…てめぇ、何モンだぁ?」
フェルトは冷や汗をかきながら言うと。
「ごめんなさい。その質問には応えられないわ。それに知らない方が貴方達にとっては都合がいいと思うのだけれど?」
妖艶な微笑みを浮かべ、女はやって来る。
ズルズルズル。
何か引き摺る音だ。
「────────?」
女の背後…正確に言えば、女の手で引き摺られる何か…。
月の光が輝きを増し、少しずつ顕になる。
「────────────────────」
突如、エミリアはとてつもない吐き気に襲われた。
口元を手で抑え、足を震わせながら目を逸らす。
「お前、ソレは────」
フェルトは構えていたナイフを落とす。
ズルズル。ズルズルズル。
女の手に握られていたのは生き物の足だった。
それも皮を剥がされた生き物の生肉。
「これ?
ちょっと怪我したから治そうと思って、適当に捕まえてきたの」
エミリア達は、あの女が何を言っているのか理解出来なかった。
ズルズル。ズルズル。ズルズルズル。
引き摺られるソレの正体をエミリアは知っている。
引き摺られるソレの正体をフェルトは知っている。
引き摺られるソレの正体をロム爺は知っている。
「でも、これだけでは足りなさそうね…」
少し不満そうな表情を見せる女。
「かといってこれ以上、ここに長居するのも危険だし…どうしたものかしら」
女はブツブツと小言を呟き、コチラへやって来る。
女から殺意は感じない。
だが、女の手で引き摺られるソレを見て、この女に背を向けるのは論外だ。
後ろを向いた瞬間────────『死』

「あら。貴女、」

女はエミリアを見つめる。
「変わったローブを羽織ってるわね」
ニコッと人を惑わす笑みでエミリアに話し掛ける。
エミリアは…女の方を少し向くが、女の手で引き摺られるソレを見て目を逸らした。
「そんなに恐がらなくても大丈夫よ。コレは死んでい
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