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Re:ゼロから始める士郎の生活
六話 異端と歩み寄る影
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居ることは確かだ。
ラインハルトは目を閉じる。
感覚を研ぎ澄まし────心の目で、腸狩りを追う。
「……?」
この感じ、このマナは────エミリア様?
研ぎ澄まされた感覚で感じ取れたエミリアのオド────そして、腸狩りの気配。
何故、こんな所にエミリア様が?
そして…何故、このタイミングで腸狩りの気配が…?
エミヤ…いや、アラヤの一撃で腸狩りはかなりのダメージを負った筈だ。ここら周辺で身を隠しているのは解っていたが…何故、この最悪のタイミングで現れるんだ?
「まさか、腸狩り狙いはエミリア様か…?」
それとも偶然────いや、もしかしたら必然?
どの道、エミリアと腸狩りを会わせてはならない。もし鉢合わせでもすれば腸狩りはエミリアに危害を加える可能性がある。
「少し、力を入れるよ」
飛び移った建物の足場に心の中で謝罪する。
メリッとひび割れる足場────そしてラインハルトはさらなる高度に身を乗り出す。目を凝らし先程、感じられたエミリアのオドと腸狩りの気配を探索する。
「…アレか…」
貧民街の端にポツンっと建てられた建物。あそこからエミリアの気配を感じる。
そして、そのすぐ側に腸狩りの気配も。
「間に合ってくれ」
ラインハルトは平常心で言った。
やはり、『完璧』な超人はズレている、





「なんじゃ、フェルトとお主は知り合いだったのか?」
何故か嬉しそうに笑う巨人族のバルガ・クロムウェル。そして。
「それはこっちのセリフだよ、ロム爺。なんでアルトリアの姉ちゃんがこんな所に居るんだよ?」
状況を把握し切れていないフェルト。正直、エミリアも少し困惑気味だが…このロム爺と呼ばれているバルガ・クロムウェルとフェルトは知り合いということは理解出来た。
「おぉ、そういえばお主の名前を聞いておらんかったな」
「自己紹介もしてねぇのかよ!」
「いや、ワシの名前はさっき教えたんじゃがな…名前は別に聞かんでもよいかとな、」
「そこは聞いとけよ!」
フェルトとバルガの会話はとても楽しそうだった。
明るくて、ポカポカして…少し懐かしく感じた。なんでだろ、昔の記憶なんて無いのに。
「で、姉ちゃんはなんでこんな薄汚ねぇ所に居んだよ?」
「薄汚いとはなんじゃ!外見は少しみすぼらしいかも知れんが中身はそこそこ綺麗じゃろっ」
そこそこ…綺麗?
エミリアは「あははははっ」と苦笑し、フェルトの方を見る。
「ロム爺、これは綺麗とは言わねぇ。
散らかってはねぇが見ろよ。こことか結構ホコリまみれだぜ?」
商品と思わしき物は綺麗に並べられてはいるが…お世辞にも綺麗とは言い難い。だが、フェルトはキッパリと言い切った。そんな所を見るとバルガとフェルトの信頼関係は中々のものだと見て分かる。
「で、アルトリアの姉ちゃんはなんでこ
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