機動戦士ガンダム
2098話
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ど、本当!?」
いきなり叫びながら、誰かが部屋の中に突入してくる。
いや、誰かというのはこの際考えるまでもない。俺は、その声の主が誰なのかを十分に理解していたのだから。
突然の事で一瞬緊張したラルの気配を感じながら、俺はその人物に呼び掛ける。
「ゆかり、こっちだ!」
「いたわね。……全く、他の世界に行くなら行くで、恋人の私には知らせてくれてもいいんじゃないの? 美鶴に聞かされて、どれだけ驚いたと思ってるのよ」
へぇ、ゆかりは美鶴のことを先輩でも、さんづけでもなく、呼び捨てで呼んでるのか。
いやまぁ、夜にベッドの中では美鶴と呼び捨てにしていたから、それがこっちに広がっただけの話だと思うんだが。
それに俺の恋人という事でこれから長い間生きていくのを考えれば、1年の生まれはこの先の長い人生を考えれば誤差に等しいだろうし。
「ま、また増えた……だと……?」
コズンの呟く声が聞こえてくるが、そちらは変わらずにスルーしておく。
ゆかりもラルやコズン、セイラ、ハモンといった面々には気が付いた様子だったが、今は俺と話をするのが先だと判断したのだろう。
そちらを一瞥するだけで、こちらに近づいてくる足を止める様子はない。
「さて、アクセル。ちょーっと話があるから行きましょうか。ちょっとアクセルを借りるわね」
「いいけど、夜までには返してよ?」
シェリルの言葉の意味を理解したのだろう。ゆかりは頬を赤く染めながらも、分かってるわよ! と叫んでから、俺を引っ張って行く。
そうしてやって来たのは、空き室の1つ。
「……さて、色々と話を聞かせて貰いましょうか。アクセルがいきなり他の世界に行ったって聞いて、どれくらい驚いたと思う? 美鶴もアクセルを見送ったんなら、私にだって見送らせても良かったじゃない」
「そう言ってもな。美鶴は日程的にまだ余裕があったけど、ゆかりはそういう訳にもいかなかっただろ?」
大学の入学式を終えたばかりの美鶴はともかく、ゆかりの方は既にもう新学期が始まっている。
そうである以上、3年として色々と忙しいのは事実なのだ。
「あのね。学校の方が忙しいのは事実だけど……その、恋人がいつ戻ってくるかも分からない世界に旅立つんだから、それを見送るくらいはさせなさいよね」
ゆかりと付き合い始めてから随分と経つが、それでもゆかりにとって俺と付き合っていると口にするのはまだ若干恥ずかしいらしい。
正確には俺がまだ月光館学園に通っていた時はそうでもなかったのだが、こうして新しい形になったのが、ゆかりの照れを増大させているのだろう。
だが、ゆかりが俺を責める視線の強さは、変わる様子がない。
「あー……悪かったな。そうだよな。俺とか他の面々は結構慣れてるけど、ゆ
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