機動戦士ガンダム
2097話
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じゃないわよね?」
「ああ。安心しろ。普通にここで飼っている牛の牛乳だよ」
気丈な性格のセイラであっても、やはりワイバーンを見た後でソフトクリームを食べるとなると、その事が心配になるのだろう。
だが、この牧場の牛乳はかなり質のいい牛乳だし、肉牛の方もレベルは高い。
それもこれも、量産型Wに色々と牛を飼う際に必要な知識を疑似記憶としてインプットしたおかげだな。
当然その手の知識を疑似記憶としてインプットしただけでは意味がなく、しっかりと働いて知識と実践を組み合わせる事が必要になる。
ホワイトスターと取引のある世界の中には、この牧場の肉を欲しがる者も多い。
……実際、この牧場の肉をシャドウミラーだけで消費するのは無理だし、交流区画に料理を出している店で消費してもまだ余るので、小口の取引には応じているのだが。
「美味しい……」
ソフトクリームを恐る恐ると一口食べて、セイラが呟く。
……ちなみに、セイラ以外にもハモンはともかく、ラルやコズンまでもがソフトクリームを食べている光景は……うん、何だろうな。何だか笑えるものがある。
それを言えばラルも不満に思うだろうから、何も言わないが。
ともあれ、俺達は牧場でそんな楽しい時間をすごすのだった。
「これが……バッタ……」
セイラが目の前のバッタを見て、興味深そうに呟く。
現在俺達の前にいるのは、無人兵器としての車くらいの大きさはあるバッタ……ではなく、膝下までもない大きさの、日常作業用のバッタだ。
木蓮……正確には古代火星文明が使っていた無人兵器製造工場によって製造されるバッタは、大まかには2つの種類がある。
即ち、無人戦闘兵器としてのバッタか、通常作業用のバッタか。
そして通常作業用のバッタは、それこそ使用用途によって色々と大きさが変わる。
いや、兵器用に生産されたバッタの方でも、命令によって作業は出来るのだが。
「どうだ? これくらいのバッタであれば、クレイドルの中に大量にいても、そこまで目立たないだろ?」
戦闘用の車くらいの大きさのバッタであれば、色々と目立ってしまうのは確実だ。
示威行為とか抑止力とかで考えれば、それも悪くないんだが。
監視カメラとかの役割と近いな。
だが、抑止力ではなく何か妙な行動を取っている相手を見つけるという意味では、このくらいの……もしくはもっと小さくてもいい。
「ふーむ……明らかにジオンよりも技術力は上だな」
「そうですね、大尉。MSを作るのですら、大尉や黒い三連星を始めとしたエースパイロットが力を結集してようやくでしたのに……」
「黒い三連星、ガイア達か。……あの連中もキシリアの下で窮屈にしていると聞く。声を掛けてみるのも、面白いかもしれんな」
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