第70話 第4次ティアマト会戦?
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系外縁で船団と合流し護衛を開始した。
「船長、豪勢な護衛ですね」
「ああ、それだけこの物資が重要と言う事だな、腹は減っては戦ができんというからな。此処までして貰った以上は、誇り有る船乗りとして誠心誠意荷物を届ける気になれるな」
「全くですね」
3日目になって、輸送船団は哨戒行動をとっていた帝国軍の巡航艦2隻と遭遇したが、ビューフォート艦隊はまるで蠅でも追い払うように鎧袖一触で撃破した。その後も数回の遭遇を経たが悉く撃破し、味方の損害0という状態で見事に役目を果たし、物資が前線に滞りなく届いたのである。
宇宙暦795年2月12日〜14日
■自由惑星同盟 首都星ハイネセン 統合作戦本部
2月も中盤に入ると帝国軍侵攻が現実と物となりマスコミが統合作戦本部や宇宙艦隊総司令部へ取材攻勢をかけてきていた。リーファは目立たないように動いていたため、マスコミに捕まる事がなかったが、鈍くさいヤン・ウェンリーは丁度帰宅時にマスコミに捕まってしまった。
エル・ファシルの英雄の1人であり、ヴァンフリート星域会戦の立役者、第5次イゼルローン要塞攻略戦の作戦を立ち上げた、第3次ティアマト会戦や第6次イゼルローン要塞攻略戦の危うさを指摘した等、27歳の准将として同盟軍で尤も名の知られたヒーローなのだから、マスコミに揉みくちゃにされ、質問攻めに遭わされたのである。
「ヤン准将、今回の帝国の出兵ですが、どうお考えですか?」
「前回無謀にも100万の将兵を無駄死にさせたコーネフ提督をどうお考えですか?」
「ヤン准将、今回もミラクルヤンのマジックで敵を撃退して下さい」
「ブルース・アッシュビーやリン・パオ、ユースフ・トパロウルの再来とも言われるヤン准将、やはりティアマトでの迎撃でしょうか?」
余りの取材攻勢にヤンはタジタジに成っているが、それを尻目に裏口からワイドボーンがコッソリ遁走していたのはヤンも気がつかない事であった。
「ヤン、悪いな。俺は先に帰らして貰うぜ!」
リーファとワイドボーンに嵌められたと気づいたときには、マスコミ攻勢の渦の中で揉みくちゃにされ、「はあ」「いいえ」「それは」とかの返事をしながら、MPによりマスコミから助け出されるまで酷い目にあったのである。
翌日の新聞や立体TVの一面は『魔術師《ミラクル》ヤン帝国軍撃退を宣言』とか『ヤン准将、今回もティアマトで帝国軍を撃退か!』とかの記事が踊りまくり、シトレ本部長、ボロディン総司令長官代理、リーファ、ワイドボーン、アッテンボローなどがヤンを前にして大笑いしたのである。
「いやはや、図に当たりましたね」
「正しく、良い韜晦になるな」
「この情報はフェザーン自治領経由で帝国にも直ぐに伝わるでしょう」
「真の目的を隠すにはヤンのネームバリュー
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