一位を狙え! 障害物競争!!
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爆破を利用して緋奈の隣まで飛んできた爆豪と、真下で氷の床を作り走る轟が同時に叫んだ。
「ちょ、翼もごうとしないで!? これ、痛いんだからね!?」
「黙ってろ! 怪我なんかァ、後でリカバリーガールにでも治しといてもらえや!?」
「そういう問題じゃないんだってえの!!」
翼をむしり取ろうとする爆豪の手を引き剥がそうとする緋奈。 上空での攻防戦。両者1歩も引かない掴み合い。 それは、爆豪でも緋奈でもない第三者により終了する。 突如、女樹に落下していく二人と走る轟の上に影が差した。
「あァ?」
「へ?」
「・・・っ?」
緋奈と爆豪、轟がその影を視線で追うと、そこには、仮想敵の装甲に腹を乗せて前へと飛んでいく緑谷の姿があった。 それに即座に反応したのは、彼の幼馴染、爆豪だ。
「デクぁ!! 俺の前を行くんじゃねえ!!」
緋奈の翼から手を離し、爆破で加速し、緑谷に迫る。もちろん、緋奈と轟も緑谷をやることは同じだ。
『元・先頭の三人、足の引っ張り合いを止め、緑谷を追う!! 共通の敵が現れれば、人は争いをやめる!! 争いはなくならないがな!!』
『何言ってんだ、お前』
プレゼント・マイクがハイテンションで実況する。 それに対して、相変わらず相澤は冷静だ。
「お前にだけは前は行かせえねぇ!!」
「行かせないよ、出久君!!」
「悪ぃな、緑谷」
抜かれた三人は全速力で緑谷を追いかける。それに対し、緑谷は、
(くっそ! 抜かれる! だけど、この一瞬のチャンス!! 掴んで離すな! 追い越し無理なら−−抜かれちゃダメだ!!)
そう胸中で決意し、装甲を地雷めがけて振り下ろした。刹那、大量の地雷が起動し、爆発した。 それに伴い、爆豪、轟、緋奈が衝撃に巻き込まれ、緑谷は前に吹き飛ぶ。これにより、現在一位は緑谷。数分遅れて、地雷の爆発から難を脱した緋奈はすぐに緑谷を追いかけようとするが、時すでに遅し。
『さァさァ、序盤の展開から誰が予想できた!? 今一番にスタジアムへ還ってきたその男は−−緑谷出久の存在を!!』
緑谷の1位が決まってしまった。
「あぁもう!! 爆豪君と轟君のせいで!」
緋奈はイライラしながら、全力疾走して、ゴールに駆け込み、その数秒後に爆豪、轟という順にゴールにした。
そして、その後もぞろぞろと生徒達が帰ってきて、第一種目は終わりを告げた。
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