開幕!! 雄英体育祭!!
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
クラスメイトに優勝宣言してから二日が経った放課後。緋奈は珍しく一人で雄英にあるトレーニングルームにいた。というのも、今回の体育祭は全員がライバルだからだ。
「よし、やりますか!」
更衣室で、ジャージに着替え軽く準備した後、携帯に書き記してあるトレーニングメニューに目を通す。
「えーと、まずは個性の弱点が何のかを探すことから始めようかな」
まずは、『自然干渉』。 『風』に干渉する。 持続時間は5分。 威力の調整は問題なし。
「けど、使用時は無防備になる、か」
個性を消して、緋奈は呟いた。
「次は『具現化』を試そう」
頭の中で『木刀』を思い浮かべ、『具現化』させる。作製時間は5秒。強度も構造も完璧。 軽く振ったり、壁に叩きつけても、折れたり消えたりしない。
「『具現化』は問題無しっと」
木刀を壁に立てかけて、緋奈は呟く。
「あとは『対象の操作』だけど、今はやめとこう。それに、体育祭という舞台で試したいこともあるしね」
緋奈はウンウンと一人納得する。
「さて、弱点となると、個性無視の殴り合いかな。 正直、個性頼りも限界がある。普段は、近づかずに敵の動きを封じる方法で戦ってきたから、爆豪くんや出久君みたいな近接特化型にはキツいんだよなぁ。 近づかれたら、ワンパンされちゃうね」
緋奈にとって一番の弱点は『近接』。 彼の個性、『言霊』は中遠距離を保って戦う事で本来の力を発揮する。 その為、爆豪や出久、切島のような近接向き個性の相手は天敵となる。だからこそ、近づかせないようにしているわけなのだが、戦闘センスが高い者には無駄なことだ。 多少の時間稼ぎにしかならず、『言霊』にも欠点はある。 頭痛というデメリット。 毎5回に頭痛が起こるのは不便といえば不便だ。
だが、今回の雄英体育祭は個性と個性のぶつかり合い。全員が敵で味方はゼロ。それに、万が一、一対一のトーナメント戦などがあったら、嫌でも近接戦闘になる可能性が高い。
『個性』発動ですぐ終わればありがたいのだが、そうそう上手くいかないことぐらい、馬鹿でもわかる。
「仕方ない。本当は嫌だけど、父さんと母さんの戦闘スタイルでも真似するかな」
緋奈は心底嫌そうに呟いて、動画サイトで、両親が敵と戦っている映像を見ることにした。暫くして、動画を見終えた緋奈は、
「ちぇ。両親としては最悪だけど、戦闘スタイルや個性の使い方は凄いとしか言いようがない」
悔しげに呟く。
「うっし。 動画チェックで見た事だし、早速練習と行こうかな!」
ゴキゴキと拳を鳴らした後、大きく伸びをして、緋奈は近接戦闘の練習を始めた。
?
雄英生徒達が各々体育祭に向けて個性を鍛えたり、肉体を鍛えたりと鍛錬を重ねる日々
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ