開幕!! 雄英体育祭!!
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くという負のスパイラルに陥っていた。 一応、腹痛の薬は飲んでいたが、全く効果はなかった。
「今で10回目だな」
「そんなに!? それでは身がもたないではないか!!」
上鳴の言葉に、飯田は驚く。と、そのタイミングで、ガチャ、と扉が開き、生気を感じさせない顔色の緋奈が更衣室に入ってきた。ヨボヨボのお爺さんかと思わせるほどに、両足を震わせ、お腹を押さえながら。
「緋奈君! お腹まだ痛いのかい?」
独特な手の動きを混じえながら飯田が心配そうに尋ねてくる。 それに対し、
「う、うん。 もち、だいじょ・・・うぷっ!?」
もう大丈夫だとアピールしようとしたら、今度は気持ち悪くなり吐きそうになる。どうやら、緊張が最大許容量を超えたらしい。
「ちょ、ちょっと悪いんだけど・・・僕の鞄から酔い止めの薬と水を持ってきてくれる?」
「あ、ああ! 任せてくれ」
飯田は即座に、緋奈の鞄を漁り、酔い止めの薬と水のペットボトルを取り出し、手渡してくれる。
「んはー! これでなんとかなる!」
酔い止めの薬をの水で流し込んだ緋奈は、先程までの様子が嘘かのように元気ハツラツになる。
「では、緋奈君も元気になった事だし、会場へ向かおう!」
飯田の指示にA組生徒達は素直に従い、会場へと向かった。
?
体育祭で最も注目の的となる学年はと問われれば、大抵はラストチャンスに懸ける熱と経験値からなる戦略等で『三年』という答えが多いのであるが、今年は違った。
本来、もっと先に味わう敵という恐怖を覚え、それでも尚―――否、だからこそヒーローになるべく乗り越えてきたクラスが居る学年。
場所は一年ステージ。
例年以上に活気に溢れる観客席は、彼らの登場を今や今やと待ちかねている。
『雄英体育祭!! ヒーローの卵たちが、我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!! どうせてめーらアレだろ、こいつらだろ!!? 敵の襲撃を受けたにも拘わらず、鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!』
一年ステージの実況を務めるプレゼント・マイクが、普段より五割増のテンションでマイク目がけて声を発した。流石、教師兼プロヒーローであるにも拘わらず、毎週金曜深夜一時から五時までぶっ続けでラジオをしているだけの声量はある。
彼の煽りを受けて盛り上がる観客。
そして、轟く歓声に迎え入れられながら入場してくるのは、
『ヒーロー科!! 一年!!! A組だろぉぉ!!?』
一斉に湧き上がる歓声に、A組の面々はそれぞれ違った反応を見せる。 その中で緋奈はというと、
「はぅ!? 気持ち悪いのと腹痛のダブルコンボが来た・・・」
「今回は吐くなよ、桜兎。俺達が恥ずかしいからよ」
緋奈の
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