第二章:雄英体育祭
迫る雄英体育祭!!
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
八百万の隣という安定ポジションに。
「んじゃ、食べようか」
緋奈はそう言って弁当箱を開ける。すると、
「うわっ、あんたの弁当凄いね」
「ねぇねぇ、私にこの卵焼きちょーだーい!!」
弁当箱の中身を見て、耳郎と葉隠が大声をあげた。
「相変わらず、緋奈さんのお弁当は美味しそうですわね」
「ホントだよねー! しかも弁当作ってるのが、お母さんじゃなくて緋奈ちゃんなんだもんねー!!」
「意外な特技ね、緋奈ちゃん」
八百万、芦戸、蛙吹は、葉隠に誘導してもらいながら、彼女の口へと卵焼きを運んでいく緋奈に賞賛の声を上げる。
「もうちょい下。 そうそう、そこ!」
やがて、葉隠の静止の声がしたタイミングで、卵焼きを掴む箸を止める。そして、卵焼きが消える。
「そう? 昔から料理は好きだったから、そう褒められると照れちゃうよ」
もぐもぐと白米を頬張りながら、頬を赤くする緋奈。
「話は変わるけど、体育祭ってそんな盛り上がるもの?」
その質問に、八百万達は驚いた。
(・・・変な事言ったかなぁ、僕)
雄英体育祭について多少は知っている。両親の出ていた雄英体育祭の映像を見せられたことがある。 ただ、両親に関するヒーロー事情は忘れるようにしていたため、うろ覚えでしかなく、というか、その映像を見てテンションが上がった記憶が無い。
「盛り上がるに決まってんじゃん! プロが私たちを見てんだよ!? どうかしてんじゃないの、あんた!」
「おかしいですわね? 昔は一緒に見ていたじゃありませんか」
耳郎が大声を上げ、八百万が小首を傾げた。
「しっかし珍しいもんだねー。雄英体育祭で盛り上がらないなんて」
「緋奈ちゃんは、ヒーローになりたいんちゃうの?」
芦戸の言葉に頷いて、麗日が疑問を投げかける。 緋奈にとっては答えずらい疑問。
『ヒーローになんてならないよ』
そう言えれば楽なのに。言ってしまったら、この関係が終わる気がして。だから−−
「勿論、なりたいよ。 昔、僕を助けてくれたヒーローの様に凄い人になりたいからね」
嘘と真実を入り混ぜて答える。ヒーローに助けられた事と尊敬していた事は真実で、ヒーローになりたいのは嘘。
「ならない、って言われたらどういう反応したらいいのか分からんかったよ」
安堵の溜息をついた麗日は笑った。緋奈もそれにならって、微笑んだ。嘘をつくのは本当に疲れる。でも、雄英体育祭で恥をかけば、プロにスカウトされることもないはずだから、必然的にヒーローの道は閉ざされる筈だ。
(・・・個性使わずにやればいいや)
緋奈がやる気ゼロ宣言を胸中で呟いたタイミングで、カバンに入れていた携帯が振動した。どうやら、電源を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ