第二章:雄英体育祭
迫る雄英体育祭!!
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背後の扉が開き、
「おい、お前ら。 席につけ」
相澤の声が聞こえた。緋奈達はその声にゴクリと唾を飲み込み、脱兎のごとく駆け、席へと着席する。が、号泣中の飯田は相澤に気づいていないらしく、自分の世界に浸っていた。
「おい、飯田。 顔洗ってこい」
「すみません」
相澤に肩を叩かれ気づいた飯田は、言われた通りにトイレへと向かった。それから数分して、飯田が教室に戻り、席に座る。 そして周囲をぐるりと見渡し、欠席者がいないのを確認して、
「全員、出席しているみたいだな」
出席簿を机に置いて告げた。
「相澤せんせーい! その包帯ぐるぐるは重体じゃないですか?」
気になって仕方のなかった緋奈は、我慢出来ず、手を挙げて尋ねる。その行動に、クラスメイト達は、驚いていた。 それもそのはず。 クラスメイト達は聞いていいのか?分からなかったから言葉にしなかったのだ。
「俺の安否はどうでもいい。何よりまだ戦いは終わってねぇ」
「戦い?」
「まさか……」
「まだ敵が―――!!?」
「1抜けた」
意味深な匂いを漂わせる発言に、誰もが『戦い』とは何を意味するのか思慮を巡らし、ある者は怯え、ある者はやる気満々の態度をとる。 それと違い緋奈はと言うと、怯えるわけでもやる気を出すわけでもなく、誰よりも早く離脱する意思の言葉を告げた。
そんな空気の中、相澤が続けた言葉は―――。
「雄英体育祭が迫っている!」
『クソ学校っぽいの来たあああ!!!』
「・・・?」
誰もが大声をあげる中、体育祭ぐらいで盛り上がる状況に理解出来ず、緋奈は首を傾げる。昔から体育祭は嫌いなのだ。 別に運動音痴なわけでも協力するのが苦手な訳では無い。ただ、足が速いからってリレー選手に勝手にされ、スタミナがあるからって2回走れと言われ、断れば、のけ者扱い。そういう謎ルールが大嫌いなのだ。
「各自、体育祭に向けて準備しておけ」
相澤はそう言い残して、教室を出ていった。
?
形骸化したオリンピックに代わり、現在日本のオリンピックの代わりともなっているのが、この雄英高校で開かれる雄英体育祭。 数多のプロヒーローがスカウト目的で訪れるこの体育祭は、生徒にとっては相棒候補にしてもらえる可能性の高い催しだ。 チャンスは一年に一回。 この一回を棒に振るか、振らないかで卒業後の未来が決まる。誰もが、そのビッグチャンスを勝ち取るためにやる気に満ち溢れる中、緋奈はというと、午前中の授業を全て睡眠に費やし、気づけば昼休みになっていた。
「みんな〜!昼ごはんたーべよ!」
机をドッキングしている八百万、耳郎、葉隠、蛙吹、芦戸に声をかけると共に、自身の机をドッキングする緋奈。 勿論、
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