遊びは全力が大事
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お、驚きすぎて顔に出なかっただけだよ!」
緋奈は慌てて言い訳する。
「んだよ、それ! 面白すぎだろ!」
上鳴はゲラゲラ笑って、緋奈の肩に腕を回した。
(合わせないと。 周りに)
緋奈は心の中で自分に何度も言い聞かせて、笑った。ヒーローが嫌いだと、ヒーローを志す上鳴達にバレてはいけない。この秘密は、卒業するまで隠し通さなければならない。卒業した後は、両親の元で働けばいい。相棒も沢山いるって聞くし、自分の出番は来ないはずだ。
「んじゃ、入ろうぜ」
「こういったお店は初めてですので、ドキドキしますわ」
「あはは、そんな緊張しんでもええよ。八百万さん」
「プロヒーローおすすめって聞くと気になってくるな!」
「そ、そうだね、切島君!」
「けろっ。 久しぶりのパンケーキ楽しみだわ」
「まぁ、みんなが食べるなら」
「オイラも」
「お腹すいてきたー!」
「早く入ろー!」
口々にそんなことを言いながらカフェに入り、店員に案内された席に腰を下ろし、飲み物とパンケーキを頼む。因みにテーブルは二つ。
一つめのテーブルには、麗日、緋奈、八百万と向かいの席に、蛙吹、緑谷、切島。
二つめのテーブルには、峰田、上鳴と向かいの席に、芦戸、耳郎、葉隠。
「そうえば、桜兎」
「ん?どうしたの、上鳴君?」
「いや、何度見てもお前の両親がアトノアとカグヤなんて信じられなくてさ」
上鳴がそう答えると、緑谷と峰田が、
「やっぱりそうだったの!? 桜兎君!」
「そ、そんな話、オイラ聞いてねえぞ!? 桜兎!!」
各々の違う感想を大声で叫んだ。その後に、店員から注意され、峰田と緑谷は頭を下げた。
「っで、それ本当なのかよ? 桜兎」
「なんだ峰田、お前知らなかったのか?」
切島が首を傾げると、
「逆に何でお前らは知ってんだよ!!」
机を叩くブドウ頭。
「はぁ? てか俺達だけじゃないと思うぞ? それ知ってんの」
「そうよ、峰田ちゃん。 緋奈ちゃんのご両親の簡易的なプロフィールは、ヒーロー名鑑に載っているわ」
上鳴の言葉に、蛙吹が答える。確かにヒーロー名鑑には、緋奈のご両親が載っている。大半のプロヒーローは本名は載せたりしないのだが、あの二人は載せている。なぜそうしたのかよく分からないが、こちらに迷惑のかかるようなことはやめて欲しい。小中と友達や先生に『言霊ヒーローの息子』だと言われてきたからうんざりだ。
「ま、まぁ、隠すようなことでもないしね」
緋奈は、あはは、と笑う。
「どおりで個性が似ていると思ったんだ。でもアトノアとカグヤは、対象の操作で気絶することはない。多分、桜兎君はまだ
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