USJ事件 終幕
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さんに名前を尋ねる。
「そうえば、こうやって面と向かって会うのは初めてだったね。私は怪我をした生徒達の治癒を任されている修善寺 治与。 ヒーロー名はリカバリーガールと言えば、君も分かるかい?」
「・・・リカバリーガール」
聞いたことのあるヒーロー名。 確か、対象者の治癒力を活性化させ、重傷もたちどころに治癒させる個性を持つプロヒーローだ。
「それで、もう痛い所や気持ち悪い所はないかい?」
「あ、はい。 もう大丈夫です」
緋奈は頷き、身体を起こす。どうやら、先程まで病院と思っていたが、仮眠室だったらしい。
「あの、今何時ですか?」
「朝の7時だよ。 それがどうかしたのかい?」
「・・・って事は、一日経ったってことですか!?」
「まぁ、そういう事になるねぇ」
のんびりとした口調で、リカバリーガールは答える。ただ、緋奈にとっては一大事だ。7時ということは、もうそろ学校の時間だ。準備も昨日のままだし、弁当箱も洗っていない。それに洗濯物や食器を洗わなくてはならない。慌てて、鞄から携帯を取り出し、画面をつけると、予想通り、
『お母さん:洗濯物と食器洗いお願い』
という内容のメールが入っていた。
「ありがとうございました。リカバリーガール」
「もう行くのかい?」
「ええ、やることがあるので」
緋奈はベッドから降り、鞄に携帯を押し込み、テーブルに置かれた手紙とフルーツの盛られたバスケットを手に仮眠室を出ようとする。その時に、
「そうえば、今日は学校休みだから、家で安静にしてるんだよ」
背中にかけられた声に、扉に触れていた手を離し、振り返る。
「・・・休み?」
「昨日、授業中に敵に襲われた件があるからねぇ。他の生徒達も今頃は家で安静にしてる頃だろうねぇ」
「僕みたいに怪我した人いました?」
「両腕骨折の子と、指の怪我をした子、後は首を個性で傷つけられた子がいたけど、治癒した後すぐに帰っていったよ。
話を聞く限り、切島と緑谷、耳郎の三人だと気づく。ただ全員無事ということもあり、緋奈は安堵のため息を吐いた。
「これで失礼します」
「これからは怪我しないよう気をつけるんだよ」
「善処します」
と言葉を返し、緋奈は仮眠室を出る。
「さて、帰ろ」
大きく欠伸をして、帰路へとついた。
?
自宅について、すぐに洗濯物を干し、食器を洗い終えた緋奈は、制服を洗濯機にぶち込み、ダボッとしたシャツに短パンという部屋着スタイルでソファに仰向けで寝転がっていた。左手は未だ固定されており、右手で携帯の画面をつけ、未読のメッセージがたくさん送られてきている事に気づき、トークアプリを開く。そして、新着順
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