ヒーローは遅れてやってくる
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USJ山岳ゾーンの出口付近。
「まず、13号先生の元に合流しませんと」
疲労で眠っている緋奈を背負う八百万が次の目的を口にする。
「合流するって言ってもさ、広場には大量の敵相手に相澤先生が戦ってんだよ? 私達がそんなとこ通ったりしたら、先生に迷惑かかっちゃうよ」
「耳郎の言う通りだぜ、八百万。 俺たちがいたら、相澤先生が本気で戦えねえだろ?」
と、耳郎の言葉に同意する上鳴(アホ化完治)。
2人が言う通り、八百万達が13号の元に向かう為には、セントラル広場を通らなければならない。しかし、そこは激戦区。そんなところに行けば、生徒達を守るために単身戦う相澤の奮闘が無駄になってしまう。だが、合流出来る道はそこだけだ。
八百万達の選択肢は三つ。
@13号と相澤を信じて安全圏で待機。
A外部からの救援を信じて待機。
B敵だらけのセントラル広場を突破し、13号の元に合流。
ただどの選択肢も絶対に安全とは言えない。
@の選択肢は、他力本願。 要するに13号と相澤が倒れれば終わり。 リスクしかない策。
Aの選択肢は、神頼み。 外部の救援が必ず来るかは不明。来るとしても、その前に全滅という可能性が大きい。リスクが@よりは小さい。
Bの選択肢は、運頼み。 運が良ければ生、運が悪ければ死。@とAよりもリスクが高いが、逆に1番生還できる策でもある。
「突破するって言ってもよ、桜兎は疲労で動けねえんだろ? それに八百万もその状態だしよ」
上鳴がそう告げる。確かに彼らの現在の状態ではBの選択肢を行動に移すのは無謀だ。自殺行為に等しい。
「そうかもしんないけど、それしかないんだからやるしかないでしょ」
「足でまといになるのはわたくし自身が理解しておりますわ。それに、緋奈さんを置いていくことは絶対にできません」
「まぁ、そりゃそうだけどよぉ。誰だってこんなところで死にたくねえーじゃんか。 それに、ほら! 相澤先生も言ってたじゃねえか、動くなってさ! 俺達が広場に向かえば一秒ももたずにお陀仏だぜ?」
俺は行かねえからな、と上鳴は告げ、足を止めた。それに対し、耳郎と八百万は困ったような表情を浮かべる。
確かに上鳴の言うことは正しい。例え、自分達が、広場に向かった所で相澤先生の足を引っ張り、全滅すると言うことを。それでも、ここで黙って指をくわえている間にも、13号と相澤が敵連合相手に戦っているのだ。たった二人で数十人以上と。更に、飛ばされたクラスメイト達もきっと合流しようと動いている筈だ。それなのに自分達だけがここで安全にしているなんてことはできない。
「あーもう! ウダウダとイライラする!アンタもヒーロー目指す為に雄英
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