ヒーローは遅れてやってくる
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ただろうが!!」
「お前が言うことじゃねえからな!? お前は緋奈を助けてくれた蛙吹にもっと感謝しろ!」
爆豪がそう叫ぶと、切島は即座に否定した。
「おぉおぉぉおい緑谷! これなら助け来るまで持つかもしんねえぞぉ!!?」
「う、うん……いや、待って!?」
歓喜の涙を流す峰田に縋りつかれる緑谷は、ふと灰色の煙の中からおぞましい殺気を感じとった。
「かっちゃん、切島君!! そこから離れて!!」
即座に爆豪と切島にそう避難を促すが、
「選択は良かったが、遅かったなぁ? ヒーロー」
灰色の煙からそんな声が聞こえ、脳無の一撃が切島の顔面に振り抜かれた。が、そのタイミングで個性【硬化】を発動させ、顔へのダメージを防ぐがその代わりに、最強の盾となる【硬化】で硬くした両腕が小枝のように容易く叩きおられた。
「・・・・ギィ・・・ァァァァァァ!?」
「切島君!?」
「今度こそ仕留めろ、脳無」
掌を貼り付けた敵がそう指示すると、脳無が拳で追撃しようとする。が、今度はそう上手くいかない。
「舌噛むんじゃねぇぇぞ!!」
両腕をへし折られた切島のコスチュームを掴み、爆破で右へと緊急回避する爆豪。 そして、追撃をしようと振り抜かれた脳無の拳は地面にめり込んだ。
「何してんだよ、脳無! なにガキ相手に翻弄されてんだ!」
掌を貼り付けた敵は怒声を上げた。
「み、皆さん、無事ですか!?」
「みんな、無事!?」
少し離れた噴水まで風で避難させていた八百万と耳郎がこちらへと駆け寄ってきた。それを緋奈達が確認するより早く、掌を貼り付けた敵が視界に捉える。
「二人とも、逃げて!?」
緋奈がそう叫ぶがもう遅い。
「オイ、黒霧」
「はい、死柄木弔」
掌を貼り付けた敵、死柄木がそう声をかけると、八百万と耳郎の背後に大規模な黒い靄を作り出した黒霧があらわれた。
「あなた方には死んでもらいます」
黒霧が八百万と耳郎を飲み込もうとする瞬間、全身を震わせるほどの寒気が全員を襲った。そして、それと同時に、黒霧の身体が凍りついた。
「何してんだよ、黒霧! お前の個性がそれじゃなきゃ殺してるぞ」
死柄木は首筋をガリガリとかいて先程以上に苛立ちを見せる。
「ふぅ。 何とか間に合ったみてぇだな」
「みんな、大丈夫だった!?」
左側から轟と葉隠の声が聞こえた。
「ぞろぞろぞろぞろと羽虫みたいに増えやがって。 ヒーローが少数相手に集団とか、それでもヒーロー志望かよ」
死柄木は、自分を囲むように位置する緋奈達を見て、そう吐き捨てた。
10対3。 敵側にとって
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