USJ in 山岳ゾーン?
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「中身ぶちまけたから、逆に気持ち悪い」
屍のように倒れふす敵達を縛りながら、緋奈は土気色の顔で呟いた。
「今度からは、バスに乗る前に酔い止めの薬を飲むように心がけてくださいね。緋奈さん」
同じく敵を縛る八百万が心がけるように念押しする。
「ほんとそうしなよ。今回みたいに面倒事増やされるの嫌だからね」
「め・・・面目ない」
耳郎の言葉に、緋奈はシュンとする。確かに、実践時にリバったり、気を抜いたりするのはいけない。 それを分かっていながら、行動に移せないのが緋奈の欠点でもある。
「さて、皆さんとの通信手段を見つけませんと」
「あ。 それなら上鳴の・・・って、ジャミングされてるんだっけ」
「そういう上鳴君は何処に・・・」
「おい、お前らが探してんのコイツだろ?」
緋奈達の背後からそんな声がかけられた。そちらに視線を向けると、
「手ぇ上げろ。 個性は禁止だ。 使えばコイツを殺す」
片方の手から電気を迸らぜながら、もう片方の手で、あほ面の上鳴を掴んだ敵がそこにはいた。
「上鳴さん・・・!!」
「やられた・・・!!完全に油断してた・・・」
「せっかく、気分よくなってきたのに」
敵の言葉に緋奈達は両手を上げて、無抵抗の意を表す。
「同じ電気系個性としては、殺したくはないがしょうがないよな」
「ウェ・・・。 ウェ〜〜〜イ・・・」
「全滅させたと思わせてからの伏兵・・・。 こんな事も想定できていなかったなんて・・・」
「電気系・・・! 恐らく轟さんの言っていた通信妨害してる奴ね・・・!」
「あのー、は、吐いても構いませんか? ・・・うぷっ」
土気色の顔で敵に懇願する緋奈。 ヒーローの卵であろうものが、敵に懇願など恥ずかしいことかもしれないが、緋奈にとってそんな薄いプライドはない。吐きたい時は吐く。寝たい時は寝る。食べたい時は食べる。そういった事をするのに、プライドはなんの役にも立たない。プライドで飯は食えないし、排泄も出来ないし、吐き気も治らない。
「駄目だ。適当な事言って、何かするに決まっている。 あまり俺を舐めるな、ガキ」
「マジお願いしま・・・うぇっ、おうぇ……ッ」
敵に拒否られると共に、限界に達した緋奈は本日三度目のリバースを始めた。もう既に食ったものは吐き出し尽くしたため、胃液だけが吐き出される。
「ちっ。緊張感のねえガキだな。まぁ、いい。 そっちへ行く。 決して動くなよ」
不快そうに表情を歪め、緋奈達にそう命令する。
「・・・上鳴もだけどさ・・・電気系ってさ、『生まれながらの勝ち組』じゃん?
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