USJ in 山岳ゾーン
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「うぅわ!!!」
「・・・んぐ!?」
黒い背景に白い稲妻が走るヒーローコスチュームに、『特製電子変換無線』を右耳につけた上鳴と、口元あたりにスピーカーの取り付けられた長めのウインドブレーカーを着込む緋奈は、敵達から逃げていた。
「コエー!! マジ!! 今、見えた!! 三途見えたマジ!! なんなんだよ、コイツらは!! どうなってんだよォ!!!?」
「やばっ、マジ。 お、ぅえ。 あ、吐きそう」
敵の攻撃にビビる上鳴と、違う意味でヤバい緋奈は、模造の小剣と、細長い鉄の棒を各々手に、応戦する耳郎と八百万の近くへと避難する。
「そういうの後にしよ」
「ええ、そうですわ。この数を早く何とかしなければ、緋奈さんが吐いてしまいますわ」
「いや、あいつもうリバってんぞ!?」
「「え?」」
上鳴の言葉に緋奈の方を向くと、
「」
床に四つん這いになって、昼に食べた物を全て吐き出す緋奈の姿があった。
「ちょ、アンタ何こんな時に吐いてんの!?」
「ひ、緋奈さん!?」
「リバってる場合じゃねえぞ! 桜兎!!」
八百万達は緋奈にそう声をかけるが、絶賛嘔吐中の緋奈は言葉を返すことが出来ない。ただ、そんな彼らを待ってくれるはずもなく、
「へへへ! 今がチャンスだ!」
「よそ見してんなよ、イヤフォン女!!」
「テメェもだぜ、ゲロ吐き中の兄ちゃんよォ?」
敵達が襲いかかる。
「緋奈さんはやらせませんわ!」
「マジあとでなんか奢れよ! 桜兎!!」
「こんな時に面倒事増やさないでよ!」
八百万達はそう叫んで、敵達の攻撃をあらゆる手段を使って凌いでいく。ただ、集団相手に四名(一人嘔吐中)では勝ち目がない。どれだけ凌いでも、時間が過ぎていく度に八百万達のスタミナが減っていくだけで、伸ばせば伸ばすほど勝ち目が薄れていく。
「つーか、あんた電気男じゃん。 バリバリっとやっちゃってよ!」
「あのな、俺の個性はそんな便利なもんじゃねえんだよ!? 電気を纏うだけだ俺は!
放電できるだけど、操れるわけじゃねーから、3人とも、巻き込んじまうの!あれだ!轟と一緒よ!? つーか、俺にも武器くれ! それに救けを呼ぼうにも特製電子変換無線、今ジャミングヤベぇしさ。 いいか!? 二人とも! 今、俺と緋奈は頼りになんねー!!頼りにしてるぜ!!」
長々と言葉を並べる上鳴。
「男のくせにウダウダと・・・じゃあさ、人間スタンガン!!」
「マジかバカ!!!」
情けない上鳴に呆れる耳郎は名案とばかりに、上鳴の背中を蹴った。 そしてその方向には、敵がいた。
「へへへ、自分
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