散り散りの卵
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ない怪しげな者達が這い出てきた。普通ならば、何かの抜き打ちテスト的なものと思うかもしれないが、今回のこれがそんなものでは無いことは、ヒーローの卵である緋奈達でも理解出来た。危険な何かだということも。
「動くな。 あれは−−敵だ!!」
相澤は生徒達にもう一度動かないよう声をかけ、ゴーグルをかける。普段、大声を出さないからこそ、その言葉には信憑性があった。
すると、蠢く黒い靄の中心に立っている男が生徒達の方を見上げた。
「ひぃっ!?」
誰かがその男の顔を見て短い悲鳴を上げた。ただ、それは無理もなかった。
何故なら、生徒達を見上げる男の顔には手首から上しかない手が張り付き、その手はあらゆる部位にもあったからだ。不気味としかいいようのない姿。
「平和の象徴……いないなんて……子どもを殺せば来るのかな?」
と、不安定な震えた声で、悍ましい言葉を不気味な男は発した。
黒い靄から湧き出る数多くの敵。 これだけの侵入にも関わらず、各所に設置されているセンサーが反応していない。恐らく、センサーを阻害する個性を持った敵があの中にいるのだろう。
「校舎と離れた隔離空間。そこに少人数が入る時間割・・・バカだがアホじゃねえ。これは何らかの目的があって、用意周到に画策された奇襲だ」
と、生徒達が知りたがっているであろう疑問に轟が答えた。
計画的な犯行。
そう判断するしかない目の前の光景。どんな馬鹿でも理解できる。
校舎から遠い隔離施設にA組生徒達が行く日。
ヒーロー基礎学開始の時刻。
そして−−人数。
全てが読まれていた。
ただ、それを知る事が出来るのは雄英の教師陣だけだ。それ以外の者に知られる事は無いはず。しかし、情報が漏れている。そこから導き出される答えは、雄英高校の中に敵の内通者がいるということ。
(・・・それよりも今は生徒の安全が一大事だ)
相澤は思考を切り替え、生徒達の安全を優先する。 その為に、自身の武器である包帯を靡かせて、敵の群れへと飛び込んでいく。その際に出久が、相澤の戦闘スタイルは多対一人には向いていないと口走っていたが、『一芸だけじよヒーローは務まらん』と一蹴していた。
その言葉通り、相澤は無駄ひとつない軽快な動きで敵に迫り、【抹消】で個性を消し、包帯で無力化、または撃破していく。
しかし、【抹消】が1度消えるタイミングで、その隙を突くように、黒い靄状の敵が、生徒達と13号の背後へ現れた。
「初めまして、我々は敵連合。 僭越ながら……この度ヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは―――
平和の象徴『オ
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