暁 〜小説投稿サイト〜
僕のヒーローアカデミア〜言霊使いはヒーロー嫌い〜
影に潜む悪意
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そうだ」

「ありがとー、飯田君」

丁寧な説明をしてくれた飯田にお礼を言い、緋奈は順番を待つ。やがて自分達の番が来て、食券を買い、ランチラッシュに渡す。そしてその数分後に頼んだ料理が出てきて、それが載ったトレイを手に、空いている席に腰を下ろす。

緋奈が頼んだのは、ハヤシライス。 一番の大好物だ。

「・・・もぐもぐ」

ハヤシライスを口一杯に頬張る。 と、向かいに座る麗日が口を開いた。

「そうえば、みんな、兄弟とかいるん?」

若干、方言混じりだが、そこも可愛いなぁ。と心の中で思う出久と緋奈。

「うーん。 僕は一人っ子だよ。でも4歳ぐらいの頃は、血が繋がってない高校生のお義姉(ねえ)ちゃんが一人いたけど、もう結婚してるからここ11年ほど会ってないかな」

「・・・なんかごめん」

「ううん、別にいいよ。 それよりも飯田君は兄弟とかいるの?」


シュンと落ち込んだ麗日にそう声をかけ、飯田に尋ねる。

「あぁ。 ターボヒーロー『インゲニウム』を知ってるかい?」

「事務所に六十五人もの相棒を雇ってるとかいう『インゲニウム』?」

「それが、俺の兄さ!」

「ええ!? すごいよ、飯田君!!」

飯田の兄が『インゲニウム』だということを知り、ヒーローオタクの出久は興奮したように大声をあげた。

「なんかアレだね。前々から思ってたけど出久君ってヒーローオタクだよね〜」

緋奈はハヤシライスを平らげ、コップに注がれた水を1口含んで、告げた。

「う、うん。なんか自分でも分かってたけど、ほかの人に言われるとなんか恥ずかしい」

「そうかな? 私はデクくんすごいと思うよ」

「あぁ、麗日君の言う通りだ。 緑谷君」

「恥ずかしがることなんてないって。ほら、あそこ見てみなよ」

恥ずかしがる出久に、緋奈は背後の方を指さす。 そちらに出久達が視線を移すとそこには−−


「うひょー!! 一・二・三年生の女子がいるとかよりどりみどりかよ!!」

「やべぇーって! こりゃナンパするしかないっしょ!!」

ヤバげな事を大声で恥ずかしげもなく叫ぶ峰田と、女子の多さに興奮する上鳴が居た。 周囲から絶対零度の視線を送られていることに気づかない辺りはある意味、才能だ。

「あ、あはは。確かにあれよりは恥ずかしくない、かな」

「あの二人は公衆の面前でなんという発言を!」

「まぁまぁ、落ち着こう、飯田君」

「あんなに痴態を晒しといて平気な顔をしてる二人を見た後だと、大抵の事が恥ずかしくなくなるよね」

そんな事を呟き、もう一度コップに口をつけた。と、そのタイミングで、けたたましい警報の音が鳴り始めた。
 
『セキュリティ3が突破されました。生徒
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