影に潜む悪意
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ビューありがとうございました。 では、失礼します」
お礼を言い、立ち去った。 それと同時に、CMに入った。
「受かって・・・当然か」
緋奈は声のトーンを少し落として、呟いた。昔からテスト満点は当たり前、全スポーツで一位を取るのは当たり前だと、何度何度も言われてきた呪いの言葉。どんな事でもナンバー1になってもらわなければ納得しない母親と、人がいる所では緋奈を褒めているが、実際は緋奈に興味なんてない父親。 そんな二人の元に生まれたことを緋奈はずっと後悔していた。何故、自分はここに生まれてしまったのかと。無個性だったら、あんなに厳しい教育はされなかったのだろうか? 優しくしてくれるのだろうか?
「・・・なわけないよね」
万が一、自分が無個性だったら見捨てるに決まってる。勝手にしろ、と空気扱いが死ぬまで続くはずだ。
「早く着替えないと、八百万達を待たせる事になるし、準備しよ」
食器を洗い終え、いつものように自分の部屋にある制服に着替え、身だしなみを整えてと必要なことをすべて済ませて、ソファに座り込む。数分経ち、インターホンを押す音が聞こえ、覗いてみると予想通り、八百万達だった。
「今、行くから待ってて」
そう声をかけて、片手鞄と携帯、家の鍵を持って家を出る。もちろん、行ってきますとだけ言っておく。返ってくることは無いが。
「おはよう、みんな」
「おはようございます、緋奈さん」
「おはよぉー! 緋奈ちゃん」
「けろっ。 おはよう。桜兎ちゃん」
「朝からねむそーだねー! 緋奈ちゃん!」
「おはよーう! ひーなーちゃん!」
朝の挨拶を交わし、緋奈は女子グループと共に学校へと向かった。
?
雄英高校の校門前に差し掛かると、緋奈達の視界に報道陣を捉える。校門をくぐっていく生徒を見つければ、誰これ構わず質問を投げかけている。人によっては断って振り切ることもできず、そのまま何分も絶え間ない質問で拘束されるなど、生徒からすれば良い迷惑だ。
「はてさて、なんなのやらこれは?」
緋奈は現状が理解出来ず首を傾げる。こうも報道陣が集まるほどのビッグニュースなんて雄英高校にあっただろうか?
「恐らく、オールマイト先生が講師として雄英にやってきたからじゃないでしょうか?」
いち早く現状を理解した八百万が、困惑する緋奈達に説明する。
「それにしても報道陣も馬鹿だね。 僕達がオールマイトの秘密なんて知ってるわけないのに」
「うんうん! 緋奈ちゃんの言う通り!」
緋奈の言葉に葉隠が同意する。ただこのまま校門を潜らずにここにいると遅刻になってしまう。それだけは避けたい。
「丁重に取材をお断りして校舎内に入りましょう」
「それが一番だね。報道陣
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