雄英式『体力測定』
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がて、つんつん頭のヤンキー(?)の拳が、緋奈の後頭部に振り抜かれる瞬間、
バシュッ!
と何かを吐き出す音がし、
「ンムグッ!?」
すぐ後ろから苦しそうな声が聞こえた。緋奈は、なんだろう?と背後を振り返ると、至近距離に、包帯を顔に巻かれたつんつん頭のヤンキー(?)がいた。
「・・・・(ひぃぃ!なんでこの人、僕の真後ろにいたの!?)」
ヤンキーの怖さというより、真後ろにいたという怖さの方が緋奈の心を占め、危うく、禁じ手を使ってないのに、意識を失いかけた。因みに包帯の出処というのは、A組担任の相澤からだった。しかも目が赤い。
確か、聞いたことがある。個性を消す個性を持ったヒーローがいると。 名前は覚えていないが、すごい人には変わらない。ただ、緋奈にとってはヒーローという点で好きになれないが。一応、助けられたことに感謝しつつ、次の競技へと移った。
二種目目『50m走』。 次々と測定していき、緋奈の番。 一緒に走るのは、タラコ唇で厳つい風貌の男。
「お互い頑張ろうね、えーと、ごめん。 名前教えて?」
「俺は砂糖力道。 よろしくな、桜兎」
「あれ? なんで僕の名前・・・。 あ、そうえば席順表に書いてあったね」
「お前がどんな個性か知らないけど、負けないからな」
「うん、僕も負けないよ」
タラコ唇で厳つい風貌の少年、力道にそう返し、準備運動を済ませ、走る構えをとる。2人が準備したのを確認して、相澤がスタートの合図を鳴らした。それと同時に一斉スタート。
「【石】!【風】!」
先に『具現化』を消費し、その後に『自然干渉』で風を身に纏わせ、加速した。結果、タイムは3秒ジャストを叩きだし、3秒54という結果を見せた一位候補の優等生眼鏡を抜き、トップとなった。
三種目目は『握力測定』。 各自でグループを作り、握力を測るとの事で、緋奈は迷わず、女子グループ(八百万、カエル女子、ミーちゃん、麗日、透明人間女子)の輪へと向かった。
「八百万〜、僕も入れてー!」
手をブンブンと振りながら、八百万に声をかける。
「ええ、いいですわ。 みなさんもよろしいでしょうか?」
八百万は駆け寄ってきた緋奈を抱きとめて、他の女子メンバーに尋ねる。
「私はいいよ!」
「私も〜!」
「ええ、私もいいわよ」
「全然オッケーだよ!」
全員からの承諾を得て、握力測定を始める。
「まずは僕からやるね」
測定器を握りながら、
「そうえば麗日さんと八百万、ミーちゃん以外は初めましてだね。 僕は、桜兎 緋奈。 苗字でも名前でも好きに呼んでね」
「私の名前は蛙吹梅雨よ。 梅雨ちゃんって呼んで」
「私は、葉隠透! よろしくね、緋奈ちゃん!!
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