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希望の種
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「マリウス、生きていたのか!?
アリオン、ダレン、お前達も無事であったとは!!
トーラス動乱の際、モンゴールの武将は総て討ち取られたと思っていた!
一体どうやって、イシュタールに?
誰か、私と会う事を手引きしてくれた者が居るのだな!?」
アリオンとダレンは盟友に返答の機会を譲り、口を噤む。
マリウス改め小マルス伯爵は感涙を禁じえず、海の様に青い瞳が潤んだ。
「カメロン殿の助力を得て、お目にかかる事が出来ました。
モンゴールの民は皆、アムネリス様の身を案じております。
先日は不覚を取り、頼りにならぬ若輩者と思し召されて当然ではありますが。
父の遺志に沿い姫様の御守役となる為、一から鍛え直します。
暫しお暇をいただき、モンゴールへの御帰還をお待ち申し上げる所存。
トーラスの城門に青騎士団の精鋭を揃え、お出迎えさせていただきます」
「爺は私に、最高の贈り物を遺してくれたのだな。
礼を言うぞ、マルス伯爵。
騎士達を束ね、モンゴール再建の要となれ。
私も必ず、トーラスに戻る。
マルス伯爵の肖像画を金蠍宮に掲げ、再興の祖と讃える為に。
私に新たな希望を与えてくれて、ありがとう」
モンゴールの騎士達は深々と頭を下げ、クリームヒルドの塔を退出。
ドライドン騎士団の身分証明と通行手形を与えられ、祖国に向け旅立つ事となった。
ゴーラの要となる宰相カメロンは、ユディウスの許を訪れ一部始終を解説。
率直に黒髪黒瞳の相談役、ゴーラ三国の内部事情に詳しい軍師に意見を乞う。
「マルス伯爵に親衛隊の白騎士団、アリオン子爵に黒騎士団の再建を任せる。
青騎士団、黄騎士団、赤騎士団は誰が適任だろう?」
「御二方は共に青騎士団出身と聞きます故、彼等の副官に兼務させては如何でしょう。
トーラス奪還に貢献した青騎士長官、メンティウスの遺児か親戚を探しますか?
当面マルス伯爵の従兄弟、ハラス大尉を名目上の長官とする手もあります。
ドライドン騎士団や飛燕騎士団と同様、伝令部隊の名目で黄騎士団を再建しましょう。
ダレン大佐に預け諜報活動、情報戦の専門部隊として鍛えさせますか。
ゴーラの赤い獅子、アストリアス子爵が生きておれば赤騎士団の再建者に適任ですが。
アルド・ナリス暗殺犯として捕縛され、消息を絶った儘の筈。
アムネリス姫を熱愛のあまり、凶行に及んだ男です。
ノスフェラス遠征の際は兎も角、クリスタル奇襲の際は武勇も優れ忠誠心は折り紙付き。
処刑されたとは聞いておりませんが、カメロン様は何か御存知ではありませんか?」
「ユディトー伯、あまり俺を買い被らんでくれ。
当時は、沿海州の船乗りだったのでね!
アルド・ナリスに直接、確認するしか無いだ
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