転換
希望の種
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ろうな」
鉄仮面の男は暗殺劇を仕組んだ張本人、闇と炎の王子にも忘れ去られていたが。
火傷を負い酷く焼け爛れた顔を隠す為、銀色の仮面を被り続ける運命を免れる事となる。
カメロンが風の様に去った後、ゴダロ一家は臨時休業の看板を掲げた。
トーラス出身の騎士ユエルス、ホルス、ルイが荷造りを手伝う。
ドライドン騎士団で鍛えられた精鋭達は、一言も洩らさなかったが。
オリーが王子誕生の一大事を黙っている、と望む方が間違っている。
彼女は《煙とパイプ亭》の常連客が訪れる度、大声で喋り捲った。
「暫く店を閉めさせて貰うけど、すぐ戻ってくるからね!
アルセイスで、アムネリス様に御子がお生まれになったんだよ!
カメロン様が名付け親になられて、ミアイル様と御名付けになったそうだ。
ミアイル様を、モンゴールの大公になさる御心算なんだ!!
おおっぴらにゃまだ言えないけど、カメロン様はモンゴールの味方だよ。
うちの店を御贔屓にして下さる、心の広い御方だって事は皆も知ってるだろ?
お忍びで来られた時に色々と打明けてくれてね、あたしゃ確かに聞いたのさ!
必ずモンゴールを復興させる、大公様の御子が大きくなるまでの辛抱だってよ!!
ゴーラの御世継が大公家の御世継、アムネリス様の弟君ミアイル様の名を継ぐんだよ!
カメロン様は前の公子様を忘れちゃいないんだ、ほんとに粋な計らいじゃないか!!
あたしの肉まんじゅうを食べさせてやりたい、って勿体無くも仰ってくれてね!
人手を出すから暫くの間、アルセイスに来てくれないかって言うんだよ!!
そんなこんなで、あたしらの様な者でも良かったらって事になっちまってね!
アムネリス様とミアイル様は落ち着いたら、トーラスにお戻りになられる予定だそうだ。
そん時にゃ、あたしらも御供して、アレナ通りへ戻ってくるからさ。
本当に急な話で、あたしゃ目が廻りそうだよ!」
アムネリスの愛児ミアイルが大公を継ぎ、モンゴールを復活させる事は秘密裏の決定事項。
噂は爆発的に拡散を遂げアレナ通り、トーラスを越え尾鰭を付け国中に拡散。
ユエルス隊長は眉を顰めたものの、オリーの饒舌を遮るには既に手遅れ。
カメロン宛てに詳細な報告書を送り、噂の出処を詳述の上で黙認するに留めた。
「アリスも赤ん坊も一緒に、アルセイスへ行くのかい?
それじゃ長い道中、赤子の面倒を見るのは大変だろう!
女手も必要だろ、あたし達も連れてっておくれ!!」
《ミアイル王子》を一目見たさに、同行を申し出る物見高い女達も次々に現れた。
ユエルス隊長は懇願を受け困惑するが拒絶は避け、オリーと相談し太鼓判を押す者から選抜。
カメロンに報告を送り追認を確認の後、同行者を
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