機動戦士ガンダム
2096話
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俺の視線の先で、2機のジンがそれぞれ動いている。
最初はまだ機体に慣れていなかった為か動きが鈍かったか、それでも片方はすぐに機体の操縦に慣れてきたのか、スムーズに動き出し……それから5分程が経つと、もう片方の機体もある程度は動けるようになった。
「青い巨星、か。ジンにあっという間に慣れるとは、さすがだな」
俺の隣でムウが感心したように呟く。
「ふんっ、ジン程度のMSを動かすのにあんなに時間が掛かってるようじゃ、まだまだだと思うけどな」
ムウが褒めたのが気にくわなかったのか、アウルは不満そうに呟く。
現在ここには実働班の面々が集まっており、視線の先でジンを動かしているラルとコズンの操縦を見守っていた。
実働班以外には、当然ながらセイラやハモンの姿もある。
「まぁ、SEED世界のMSとUC世界のMSでは、操縦方法とか色々と違うからな。その辺りはしょうがないだろ」
アウルにそう返しつつ、ジンの動きを見る。
ラルの動かすジンは、重斬刀を動かしているが……その動きは次第に鋭くなっていく。
当然の話だがザフトのMS……に限らず、シャドウミラーで得た各世界の機動兵器を動かす操縦システムは、TC-OSを中心にしてレモンを始めとした技術班が改良した物に変えられている。
だからこそ、機種転換訓練は最低限のもので済む訳だ。
……まぁ、VFやらKMFやら戦術機やらといった風に様々な機種があるから、操縦システムのOSを統一しただけでは、どうしても乗っている機種の特徴とかを理解出来ないんだよな。
その辺りは、やっぱり直接操縦して初めて分かる事だ。
それから20分程機体を動かし……やがて、ラルとコズンがジンのコックピットから降りてくる。
ラルの方は特に問題ない様子だったが、コズンの方は顔に汗を大量に浮かべていた。
この辺が異名持ちのパイロットとそれ以外の差、といったところなのだろう。
「お疲れ様です、貴方」
「うむ」
「それで、どうでした?」
「……駄目だな。それなりの物ではあるが、ザクには到底及ばん。3機……もしくは5機でザク1機と同等といったところか」
ハモンの言葉にラルがそう答える声が聞こえてくる。
どうやら前もって俺が予想していた通り、キルレシオとしては1:3、もしくは1:5といったところらしい。
その辺りはパイロットの操縦技術も関係してくるので、誰にでもそのキルレシオが完璧に当て嵌まるという訳ではないのだろうが。
「これ、どうぞ」
視線の先では、レイがコズンに冷えた水を渡していた。
……レイは気が利くが、それでもハモンと比べると色々と……もっとも、誰も水を渡さないというよりはいいのだが。
「おう、悪いな。……ぷはぁっ! 美味ぇっ!」
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