第3章
月光校庭のエクスカリバー
第30話 聖剣と交渉します!
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その後、とくにこれといった事態に発展せず、しばらくするとおばさんが「私はもう十分話したから」と言い、幼馴染み同士で積もる話もあるだろうと席を外した。
俺とイッセーは元教会関係者であるアーシアがいるのは危険だと判断し、アーシアだけを部屋に行かせ、他はリビングに残った。
ふと、青髪の少女の横に置かれているものに目を向ける。見た感じ、布を巻かれた剣だった。それも普通の剣じゃなかった。わずかだが、聖なるオーラが漏れ出ていたからだ。
イッセーのほうを見てみると、イッセーもそれを見ていて、物凄い量の冷や汗を流していた。
おそらく、あの剣は聖剣なんだろう。あの布は封みたいなものか?
そして、そのわずかに漏れるオーラがフリードの持っていたエクスカリバーのものと似ていた。つまり、この聖剣は七本あるエクスカリバーのうちの一本である可能性があった。
・・・・・・家に木場がいなくてよかったな。もしまだいたら、確実に騒動に発展してたかもしれなかった。
「──で?」
「ん?」
「・・・・・・わざわざ懐かしの幼馴染みに会うためだけに日本に来たわけじゃないんだろ? ──それも聖剣使いが」
俺の質問に青髪の少女が不敵な笑みを浮かべる。
「ほぉ、これが聖剣だと気づいているということは、キミはただの一般人というわけではなさそうだな?」
「そんなことよりも答えろ? 目的はこの町にいるリアス・グレモリーか?」
俺がそう訊くと、黒髪の少女が若干オドオドしながら口を開く。
「えっと、あの、誤解しないでほしいんですけど、私たちは別にこの町にいる悪魔の方々を討伐しに来たわけじゃないんです」
「だろうな。──目的はエクスカリバーか?」
「──何?」
青髪の少女が途端に視線を鋭くして睨んでくる。
「──なぜエクスカリバーのことを?」
「仲間を襲ったはぐれ神父がそのエクスカリバーを持ってたんだよ」
「はぐれか。なるほどな」
あっさり納得してくれたな。
「ウソ! 明日夏くん、エクスカリバーの使い手と戦ったの!?」
イリナが信じられないものを見るような視線を向けてくる。
俺がエクスカリバーの使い手と戦って生き残ったことに驚いているのだろう。
まぁ、正直言えば俺も運がよかったなとは思ってるがな。
「で、そのはぐれ神父はどうしたんだ?」
「さあな。誰かに呼び出されてどっかに行った。まぁ、そのおかげで命拾いしたんだけどな」
あのまま戦っていれば、誰かが死んでた可能性があったからな。
それだけ、フリードとエクスカリバーの組み合わせは驚異だった。
「まぁいい。そろそろお暇するぞ、二人とも。いつまでも居座るわけにはいかないだろう。──それに、思わぬ拾い物もあったからな」
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