第3章
月光校庭のエクスカリバー
第30話 聖剣と交渉します!
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く六本のエクスカリバーは教会の三つの派閥、カトリック教会本部ヴァチカン、プロテスタント、正教会がそれぞれ保管していましたが、そのうち三本が堕天使の手によって奪われました」
『ッ!?』
イリナの言葉に俺たちは驚く。
はぐれであるフリードが持ってたことから強奪されたのだとは予想できてはいたが、まさか三本も強奪されていたとは。
「私たちが持っているのは残ったエクスカリバーのうち、『破壊の聖剣』と」
青髪の少女──ゼノヴィアが布に包まれた聖剣を見せるのに合わせて、イリナが腕に巻いていた紐をほどいて手に取ると、紐がうねうねとカタチを変えて一本の日本刀と化した。
「私の持つこの『擬態の聖剣』の二本だけ」
ほー、イリナのエクスカリバーは名前の通り、擬態の能力を持ってるのか。持ち運びに便利そうだな。
てことは、それぞれのエクスカリバーには名前にちなんだ固有の能力を持っているのか。
そして、木場からより殺意と憎悪が放たれる。
・・・・・・頼むから落ち着いてくれよ。
「残る一本は正教会が管理しているのだが、全て奪われることを危惧し死守するため、今回の奪還任務に持ち出されていない。よって、正教会からの人材派遣はない」
殺意と憎悪を撒き散らす木場を一瞬だけ一瞥し、アルミヤ・A・エトリアが残りの一本のエクスカリバーの捕捉説明をしてくれる。
「我々がこの地に来たのはエクスカリバーを奪った堕天使がこの町に潜伏しているという情報を掴んだからだが──どうやら情報は正しかったようだ」
「ええ。先日、私の下僕とそこにいる彼がエクスカリバーを持ったはぐれエクソシストに襲われたのよ。それから、そのはぐれエクソシストが教会関係者たちを殺し回っていたのだけれど──」
「ご推察の通り、その者たちは情報収集のためにこの町に潜り込ませていた調査員だ。・・・・・・おそらく、全員殺されたがね」
それにしても、なぜエクスカリバーを奪った奴らはわざわざ部長が管理するこの町に?
首謀者が堕天使なら、自分たちの領域に持っていけばいいものを。
それとも、レイナーレみたいな独断専行者なのか?
「それで、聖剣を奪った堕天使、何者なのか判明しているの?」
「『神の子を見張る者』の幹部──コカビエルだ」
『ッ!?』
アルミヤ・A・エトリアの答えに三本ものエクスカリバーが強奪された事実以上に驚愕する俺たち。
『神の子を見張る者』は堕天使の中枢組織で、その幹部であるコカビエルは聖書に記されているほどの存在だ。
・・・・・・相当な大物が来たな。
「幹部クラスを五人で? 無謀よ。それに見たところ、彼女たち以外はエクスカリ
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