重なる面影
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ハッピーも、全員がその場に崩れ落ちてしまった。
「どうすればいいの・・・」
「私たちに・・・勝ち目はないの?」
立ち上がるかとすらできない少女たち。フィオーレに押し寄せる絶望の渦を、食い止めることができるものは果たして現れるのだろうか。
頬を膨らませて敵に狙いを定める。全身から溢れ出る高い魔力は、少年の中では過去最高のものであろう。
「水竜の・・・咆哮!!」
地面を削り取るほどの威力のある魔法。本来であればそれは誰にも防ぐことなどできるわけもないはず。しかし・・・
「残念ね、どの魔法も私には通じない」
ヨザイネはそれを片手で防いでしまう。
「私には、人間の魔法は通じないの」
「そうかよ・・・だったら・・・」
目の輝きがさらに増していく。それによりドラゴンフォースの際に全身を包み込む魔力がさらに増幅した。
「ドラゴンの力で挑むだけだ!!」
溢れている魔力がまるでドラゴンのような形へ変化している。それを見た少女は驚いてはいたものの、翼を羽ばたかせ上空へと回避する。
「逃がすかぁ!!」
急ブレーキで立ち止まったシリル。彼は空にいる敵目掛けて大地を蹴り、飛び上がった。
「無駄よ。人間が私にダメージを与えることはできない」
「そんなの・・・」
全身が水で包まれていく。彼は重力に負けることなくどんどんそのスピードを増していく。
「やってみなきゃわかんねぇだろ!!」
全身全霊をかけた頭突きが突き刺さる。ヨザイネはそれでも平然と・・・
「ぐっ!!」
していることができず、地面へと急降下していく。
「この・・・」
地面にぶつかる直前で体を半回転させて事なきを得る。だが、彼女はシリルを見て不思議そうな顔をしていた。
「なんで・・・普通の人間のあなたが私に・・・」
彼女はオルガやルーファスの魔法を受けてもまるで平気だった。そのダメージがなかったかのように反撃をしていたはずの彼女は、シリルからの攻撃で自らの肉体にダメージを受けたことに動揺している。
「自惚れるなよ。俺は今まで・・・」
地面に着地したシリルはその付近にいたヨザイネに突進を試みる。
「色んな強い奴を倒してきた!!」
「キャッ!!」
捨て身のタックルに宙を舞うヨザイネ。彼女は地面を転がったものの、すぐさま立ち上がった。
「私は・・・天界から追放された堕天使・・・人間の攻撃など効くはずがないのよ!!」
想定外の出来事に再度魔法を繰り出すヨザイネ。それをシリルは片腕でガードしてしまった。
「バカな・・・なんで・・・」
さらなる動揺が彼女を襲う。自分にダメージを与えてくるこ
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