第5章:幽世と魔導師
第165話「ランスターの弾丸」
[8/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
…!)」
「ぉおおっ!!」
「っ!?」
ギィイイイン!!
突如、守護者の後ろから誰かが切りかかった。
鎧を着て、鬼のような角が生えているが……。
「悪路王!?」
「治癒は済んだ。吾も混ぜてもらおうか……!」
悪路王……椿たちから聞いたことがあるような……。
まぁ、陰陽師の人が驚いていたものの、味方のようだ。
それに、今ので充分な隙ができた。
「捕縛!!」
バインド、創造した鎖、椿の能力による蔦。
そして、僕の言葉に続いて皆が放つバインド。
それらによって、守護者は拘束された。
瘴気であっさり破られるだろうが、一歩遅い。
「っ……!」
僕は既に、その“銃型のデバイス”を構えているのだから。
「(使わせてもらいますよ、ティーダさん……!)」
そう。それは、今となってはティーダさんの形見とも言えるデバイス。
あの時、大門の守護者と対峙しても最期まで手放さなかった、ティーダさんのストレージデバイスだ。
「頼むぞ、“ミラージュガン”」
それがなぜここにあるのか。
それは、僕が神降しをして戦いに赴く前に―――
―――「クロノ、一つ頼みたい事が」
―――「なんだ?」
―――「ティーダさんのデバイス、僕が使っていいか?」
―――「使いどころが限られるけど、もしかすると……」
―――「……わかった。だが、壊さずにな?それは今や形見扱いなんだからな」
―――「わかってる」
……そう言って、借りてきたのだ。
「(狙うはただ一点。ティーダさんが命と引き換えに打ち込んだ箇所……!)」
いくら忘れ形見とはいえ、普通であればリヒトを使う方がいいだろう。
なのにティーダさんのデバイスを使うには訳があった。
それは、このデバイスに記録されていた映像を見た時。
ティーダさんは死を覚悟した上で、次に戦うであろう誰かのために、命と引き換えに捨て身の一撃を守護者に与えていた。
「(寸分違わず当てる。並の射撃の腕前だと成功しない。……だが!)」
その傷により、守護者の体には一つの術式が埋め込まれていた。
本来なら瘴気で術式を壊されていただろう。
しかし、自身の体を瘴気で洗い流すなど、守護者にとっては今更だった。
少なくとも、今まで僕が知る戦いで守護者は瘴気で体内の術式を破壊していない。
「(今なら……!)」
今、守護者はバインドによって拘束されている。
少なくとも、今撃てば回避はされないだろう。
他に問題があるとすれば、その弾が打ち消されないか。
回避は無理でも、反撃をしてくるのが守護者だ。
生半可な威
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ