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空に星が輝く様に
232部分:第十七話 姿の見えない嫉妬その五

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第十七話 姿の見えない嫉妬その五

「まだ見つからないのね」
「そうなのよね。誰かしら」
「制服もわかってるけれどね」
「黒いスカートに白いブラウス」
「それに黒のハイソックス」
 この三つであった。その相手の制服の特徴はだ。
「これも結構多いわよね」
「人気のある制服だしね」
「ちょっとね。多過ぎて」
「こういう時マンモス校って厄介ね」
 星華は眉を顰めさせていた。
「どうにもね」
「そうよね。うちの学校って生徒数滅茶苦茶多いし」
「だから余計にね」
「困るのよね」
 こう話しててあった。さらに話すのだった。
「普通科だけじゃないし」
「商業科に農業科もあるしね」
「それにデザイン科」
「看護科もね」
「あらためて聞くと多いわね」
 また顔を曇らせる星華だった。
「うちの学校って」
「工業科もあるけれどね」
「そっちは女の子殆どいないしね」
「割合にして十対一だからね」
 男が十で女が一だ。その割合は圧倒的ですらある。
「けれどそっちかも」
「そっちにいるかも」
「考えたらきりがないけれど」
「そうね」
 それを聞いてだ。星華の目が剣呑なものになった。
「工業科にもいるかもね」
「しかも一年に二年に三年よ」
「学年は三つだし」
「三倍になるけれど」
「ううん、本当に誰なのよ」
 星華の苛立ちはさらに高まる。
「誰がなのよ。斉宮の横にいたの」
「まあ落ち着いて」
 苛立つ星華を見かねてだ。橋口が止めた。
「落ち着いて考えないとわかることもわからないわよ」
「そうね」
 言われてだった。星華はとりあえず落ち着いた。
「それじゃあ今はね」
「そうして。とにかく特徴はね」
 そしてだった。もう一度その相手の特徴を話すのだった。
「小柄に近くて黒いロングヘア」
「それで白のブラウスに黒のスカートとハイソックス」
「しかもスカートは短い」
 三人でそれぞれ話した。
「これだけね」
「この特徴よね」
「これがその相手よ」
「待って」
 その一連の特徴を聞いてだ。星華はふと気付いた。
「それって」
「どうしたの?」
「心当たりあるとか?」
「何かさ、それって」
 そして言うのだった。
「あれじゃないの?西堀」
「西堀?そういえば」
「確かに」
「そうよね」
 ここで三人も気付いたのだった。
「全部あいつの特徴よね」
「背も髪の色も髪型も」
「それに制服だって」
「そうよね。同じよね」
 また言う星華だった。
「全部ね」
「確かにね。全部同じね」
「それはね」
「けれどよ」
 ところがだ。ここで州脇が他の三人に話した。

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