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とある3年4組の卑怯者
163 恋心
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を考えたんだ」
「私の事を・・・?」
「うん、大会に出る事を勧めてくれたのも君だし、それで元気をあげたいって思ってあの三連続三回転ジャンプを跳んだんだ」
「そっか・・・。藤木君、ありがとう・・・」
 堀は藤木が自分の為にも必死で頑張っていた事を感じ取り、藤木に照れた。
(え?いじめ・・・?)
 みきえは「いじめ」という言葉で気になった。
「美葡ちゃんのお父さんがビデオを撮ってくれたからその様子を見せる事ができてよかったよ」
「はい、私も光栄です!」
「そうだ。こずえも吉川さんも藤木君のスケート見てるんでしょ?折角だから私にも藤木君のスケート見せてよ!」
 みきえが藤木に願い出た。
「うん、いいよ!だからスケートの準備してきたんだ」
「では、行きましょう!」
 四人はスケート場へと向かった。

 たかしと城ヶ崎は犬の散歩を続けていた。たかしは永沢に心の中を読まれた事に恥ずかしさを隠せなくなっていた。
「西村君・・・」
「城ヶ崎さん・・・。いや、本当に何でもないんだ!」
「永沢が言った事?大丈夫よっ、気にしてないわっ!」
「う、うん・・・。そうだよね。城ヶ崎さんは確か男子っていつもふざけてばかりいるからあんまり好きじゃないんだよね・・・」
「・・・えっ、でっ、でもそんな事ないわっ。全ての男子が嫌いってわけじゃないわっ!それに西村君はそんなバカな事をするようには見えないわっ!それに私達同じ犬を飼ってる『犬友』じゃないっ!」
「城ヶ崎さん・・・」
「私と西村君は友達よっ。だから落ち込まないでっ!」
「城ヶ崎さん・・・。うん、ありがとう」
「今日は西村君と一緒だからちょっと遠くまで一緒に遊び歩こうっ!」
「うん!」
 二人と二匹は気を取り直して犬の散歩を続けた。

 みどり、堀、みきえ、そして藤木の四人はスケート場にいた。
「ここで私と藤木君は会ったのよ」
 堀がみきえに説明した。
「へえ。そうだったんだ。そういえばこずえと吉川さんは藤木君と学校が違うんだよね。どうやって知り合ったの?」
「実は、私のおじいちゃんのお友達のお孫さんとお友達でその方のお友達が藤木さんなんです。前に私の学校と藤木さんの学校が一緒にスケート教室を行いました時に、藤木さんの滑る姿がとてもカッコよくて私好きになってしまったんです」
 みどりが説明した。
「へえ、そうだったの」
「こずえは知らないの?」
「うん、私が転校前の話だからね。私は吉川さんとスケート場に行くときに藤木君とばったり会ったのよ」
「そっか・・・」
 四人はリンクに入る。
「それじゃあ、滑るよ」
 藤木は三人に自分の滑る様子を見世物にした。鮮やかにステップ、ターンし、ジャンプ、スピンも軽々こなす。彼の演技はみどり達どころかその場にいるすべての人々を驚
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