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とある3年4組の卑怯者
163 恋心
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「そっか、また会えてよかったね。その間ベスをうんと可愛がるよ」
「ありがとうっ!」
 ベスも嬉しそうに「ワン!」と返事した。その時、反対側から赤子連れの一人の男子が現れた。
「なんだ、城ヶ崎に西村君か。君達いつからそんなに仲良くなったんだい?」
 たかしは顔が赤くなった。
「永沢っ・・・・!そんな事あんたに関係ないじゃないっ!」
「いや、それは、僕達同じ犬を飼っているって事に気付いたからだよ!」
「でも西村君、君は前にみぎわと仲良くしていたじゃないか」
「まあ、そうだけどね・・・」
「永沢っ!西村君が誰と仲良くしたっていいじゃないっ!」
 その時、ベスが「ワン!」!と永沢に向かって吠えた。
「ひい〜!」
「うわ〜ん、うわ〜ん!」
 永沢の弟の太郎も泣いてしまった。
「ほら、君の犬のせいで太郎が泣いちゃったじゃないか!!」
「何よっ、あんたが余計な事言うからでしょっ!?」
 たかしはどうしてもこの喧嘩を鎮めたかった。
「そうだ、太郎君!ほら、僕の犬だよ。タロって名前なんだ。君と名前が似てるだろ?」
 たかしはタロを太郎に近づけた。たかしの犬は愛嬌のある顔をし、永沢の弟もまた笑顔になった。
「たー、たー!」
「太郎・・・」
「太郎君・・・。ごめんね、お兄ちゃんと喧嘩しちゃって。またお姉ちゃんと一緒にピアノで遊ぼうね」
「たー、たー!」
 太郎は今度は城ヶ崎の顔を見て嬉しそうな顔をした。
「それじゃあ、永沢君、また学校でね」
「あ、ああ。西村君。君、もしかして城ヶ崎が好きなんじゃないのかい?」
「う・・・」
 たかしは図星で返答がしにくくなってしまった。
「え・・・?」
 城ヶ崎はたかしの顔が赤くなっている事に気付いた。
「そ、そうかもね・・・。それじゃあ」
「太郎君、またね」
 たかしと城ヶ崎、そして彼らの犬は永沢兄弟と別れた。
 
 藤木は堀の家で美葡の父が撮影した大会での自分の演技をみきえ、みどり、そして堀と共に鑑賞していた。
「うわあ、あんなに凄い演技を!さすが藤木さん!」
「うん、私達が地区大会で見た時よりも何て言うのかな?進化してるわ!」
(みどりちゃん、堀さん・・・)
 藤木はみどりと堀が褒めるので照れてしまった。
「できれば君達にもカナダに連れて大会での僕を見せてあげたいな。君達が僕の演技を実際に見るのは地区大会だけなんてね・・・」
「いえ、私、藤木さんのこの映像を拝見しまして、藤木さんがそれほど頑張っているというのが分かりました!世界大会でもきっともっと素晴らしい演技になると思います!」
「みどりちゃん・・・」
「それにしても一度も失敗しなかったわね」
「ああ、自分でもびっくりだよ。でも君はいじめを受けていただろ。それで君の事を考えて後半の三回転ジャンプ
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