229部分:第十七話 姿の見えない嫉妬その二
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第十七話 姿の見えない嫉妬その二
「それと黒いスカート。丈は?」
「短かったわ」
「そうよね、短かったわよね」
「ハイソックスだったし」
「黒くて短いのね。わかったわ」
星華はこのことも確認したスカートもだ。
「つまり背は私より低くて黒のロングヘアで」
「ええ」
「外見はね」
「それで制服は黒の短いスカートに同じ色のハイソックスね」
「頭の中に入れた?」
「それで」
「しかもうちの学校の生徒」
またこのことも話した。
「かなり限られるわね」
「そうよね。けれどうちの学校って生徒多いから」
「探すの難しいけれど」
「誰か確かめるのは」
「いいわよ、それは」
ふとだ。星華はこんなことを言ったのだった。
「それはね。いいわよ」
「いいの?」
「どうして?」
「後は私が見つけるから。そして」
そして。次の言葉にはだ。星華の感情がそのまま出た。
「絶対に許さないから」
「許さないって」
「どういうこと?」
「そいつ絶対に許さないから」
また言うのだった。
「何があってもね」
「?どういうこと?」
「ちょっとわからないけれど」
「そうよね」
「斉宮は絶対に渡さないから」
またしても感情をそのまま出した。
「だからよ。許さないわよ」
「渡さないのね、彼」
「絶対に」
「誰でもよ。私はね」
もう止まらなかった。本音を出していく。こうなってはどうしようもなかった。
「ずっと好きだったのよ」
「その相手をね」
「そうだったの」
「中学校の時からずっと。だからよ」
それでだと。三人に話していく。
「渡さないわ、絶対にね」
「じゃあ相手見つけたら」
「どうするのよ」
「その時は」
「決まってるわ。思い知らせてやるわよ」
言葉が荒くなっていた。そして大きくもなっていた。
「その時はね」
「わかったわ。じゃあね」
「その時は私達もね」
「協力させて」
三人は間違っていた。ここで協力するのが友情だと思ったのだ。だから星華を止めはしなかった。それこそが間違いであった。
「星華ちゃんがそこまで思うんならね」
「そうさせて」
「それでいいわよね」
「そうしてくれる?」
ここで星華は少し弱気な顔も見せた。
「その時は」
「勿論よ。友達じゃない」
「ねえ」
「当たり前じゃない」
間違いに気付かないまま約束する。
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