227部分:第十六話 深まっていく疑惑その十三
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
た。
「こうしているうちに行っちゃうし」
「だよね、まずいよ」
「ついてないわね」
この状況は仕方なかった。そうしてだ。
ウェイトレスが戻ってきてそのうえで勘定を済ませてそれから店を後にする。しかしその時にはもう二人の姿は何処にもなかった。
「やっぱり」
「何処に行ったのかしら」
「ええと、こっち?」
橋口が夜道のうちの一つを指差した。三人共その夜道を見回す。だが見えるのは闇の中の灯りだけだった。
「こっちに行ったかな」
「そうじゃないの?」
「そっちなんじゃ」
三人は何処に二人が何処に行ったのか全くわからなかった。何一つとしてだ。
そして見回すうちにも時間が過ぎてだ。諦めるしかなくなった。
「やっぱりいないし」
「それじゃあ」
「もう仕方ない?」
州脇が言った。
「見失ったし」
「もう何処に行ったかわからないし」
「帰ろう」
こう言うしかなかった。そうしてだ。
三人は仕方なく彼女達の帰路についた。そのうえでこの日は終わった。だがこれもまただ。星華をさらに焦らせ歪ませるのだった。
第十六話 完
2010・8・3
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ