第二幕その十一
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「この通りよ」
「お見事ーーなのーーですーーね」
「そういうことよ」
「確かに私も自信があるけれど」
ナターシャもこう言うのでした。
「貴女には負けるわね」
「そうでしょ」
「ええ、だから貴女みたいに上手になる為に」
微笑んで言うナターシャでした。
「もっと滑るわ」
「あら、あたしに勝とうっていうの」
「そうしてみせるわ」
「あたしには勝てないわよ」
まるで女王様みたいに言うガラスの猫でした。
「このガラスの身体の奇麗さもあってね」
「そこでそう言うの?」
「言うわよ、何といってもあたしの自慢だから」
それ故にというのです。
「ここでも言うわよ」
「そうなのね」
「それでよ」
さらに言うガラスの猫でした。
「あたしは疲れることもないから」
「何時までも滑っていられるのね」
「どんな激しく滑ってもね」
例えそうしてもというのです。
「平気なのよ」
「そこは私は無理ね」
「ガラスの身体あってこそよ」
「そうそう、ガラスの身体もそうでね」
ここでつぎはぎ娘が言ってきました。
「あたしもなのよ」
「あら、あんたはどうなの?」
「こうよ」
つぎはぎ娘も滑りました、するとです。
物凄い動きでした、軽やかに高々と跳んで。
何回転もしてトリッキーに動きます、ですがナターシャ達は驚かずにこう言いました。
「ぬいぐるみだから」
「身体がね」
「だからだね」
「ああして軽やかに動ける」
「そういうことね」
「そうなの、つぎはぎ娘はね」
まさにとです、オズマがお話しました。
「木綿の生地のお肌で中身は綿でしょ」
「だからですよね」
「動きにしても」
「凄く軽やかで」
「ああした風にですね」
「自由自在に動けるんですね」
「そうよ、こけそうになっても」
例えそうなってもです。
「すぐにバランスを戻せるから」
「それでかえってですね」
ナターシャがオズマに応えました。
「トリッキーな動きになるんですね」
「バランスを戻してね」
身体のそれをです。
「そうしてね」
「跳ねたり飛んだりの感じになって」
「いいのよ」
「そうそう、もう身体のバランスを戻すこともね」
まさにとです、つぎはぎ娘自身も言います。本当に物凄く軽やかに動いていてまるでお空を飛んでいるみたいです。
「あたしは楽だから」
「それでなのね」
「こうした動きが出来るのよ」
「やるじゃない」
ガラスの猫もつぎはぎ娘を見て言います。
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