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空に星が輝く様に
226部分:第十六話 深まっていく疑惑その十二

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第十六話 深まっていく疑惑その十二

「そうなんだ。星華ちゃんって一途なんだ」
「そうみたいね」
「そうよね。一途よね」
 橋口も二人のその言葉に頷く。
「それじゃあ。応援しようね」
「私達友達だしね」
「やっぱりね」
 二人は彼女へのそうした感情からこう決めた。
「そうしようね」
「三人でね」
「そうして。それでね」
 今度はだ。野上が言う。
「星華ちゃんが付き合えるようにしてあげよう」
「一途な想いは報われないとね」
「やっぱりね」
 こんな話をしていた。そしてであった。
 丁度そこでだ。野上がふと窓を見る。するとだった。
「あっ」
「?どうしたの?」
「何かいたの?」
「噂をすれば」
 こう二人に述べた。
「何とやらよ」
「噂をすればって」
「まさか」
「そう、そのまさかよ」
 また二人に言う。
「その斉宮よ。ほら」
「あっ、本当」
「あいつじゃない」
 窓の向こうにだ。彼が歩いていたのだ。その部活帰りの下校である。
「ここ通学路だしね」
「通るのも当然ね」
「そうね」
 何故彼がここを通るのかはもう自然とわかることだった。
「ふうん、確かに横顔いい感じ?」
「そうよね」
「私も彼氏いなかったらね」
 橋口はくすりと笑って冗談半分に話した。
「その時はね」
「その時はなのね」
「こくってた?」
「そうしたかも」
 くすりと笑って述べたのだった。
「ひょっとしてだけれどね」
「まあ確かにね」
「悪くはないわよね」
「むしろいい感じ?」
「そうよね」
 州脇と野上もこう話す。
「ああいう相手と横にいたらね」
「いい感じよね」
「確かに」
 こんなことを話しながら彼を見ていた。そうしてだった。
 州脇がだ。最初に気付いたのだ。
「あっ」
「んっ!?」
「あれっ!?」
 そしてだ。後の二人も続いて気付いた。
「誰か横にいるわよね」
「あれ誰?」
「誰かしら」
 陽太郎は右半分を彼女達に見せる形になっている。そしてその左手に誰かいた。だがそれが誰かは彼女達の方からは見えないのだ。
「彼女かしら」
「けれどあれって」
「誰?」
 三人の方からはよく見えない。どうしてもだ。
「髪、長くない?」
「長いみたいね」
「それに背はあまり高くない?」
 それでも何とか見ながら言う。
「小柄、って言えるかしら」
「そこまでいかないんじゃ」
「それにあの制服って」
 制服もだ。闇の中に何とかちらりと見られた。
「うちの学校よね」
「うん、そのうちの一つよ」
「間違いないわ」
 三人はこのことも確認した。

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