純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 1
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はエルーラン殿下が。宗教面では私が。貴方達を余計な争いの火種にしないよう全力で支えます」
「ありがとうございます、プリシラ」
敵に回れば心底恐ろしい人物だが。
その分、味方でいてくれる彼女の全力ほど頼もしいものはない。
ただ……
「ただし!」
…………対価要求が無ければ、もっと心中穏やかでいられるのだけど。
今度は何を要求されるのかと背筋を伸ばせば。
横並びしている全員の目線も、同時に上がった。
うん。
覚悟はできている。
「貴方方はしばらくの間、私とミートリッテの部屋から一歩も出ないこと。アリア様……今はロザリア様とお呼びするべきかしら? 彼女にもいくつか話を伺わねばならないし、殿下方にもここに来るまでの移動時間と手続きが必要でしょう。今回のように承諾もなく出入りされては大迷惑ですからね。万事、私の指示に従ってくださいませ」
『従えない子は、お・し・お・き。』
「「アイ、マム!」」
プリシラが微笑んだ瞬間、殿下とフィレスさんの素早い返答が重なった。
私と同じく、二人にも不穏な副音声が聴こえているに違いない。
びっくりするほど息ぴったりだ。
「良いお返事を頂けてなによりですわ。では、殿下とレゾネクトさん? は、ここで待機。リーシェさんとフィレスさんとクロちゃんは、そのままミートリッテの部屋に入ってちょうだい」
「「「はいっ!」」」
「クロちゃんは、ロザリア様をベッドに横たえたらすぐに戻ってくること。手狭にさせて悪いんだけど、案内してあげてね。ミートリッテ」
「あ、はい。承りました」
プリシラから指示を受け取ったミートリッテさんが、こちらへどうぞと、私達を執務室の片隅に手招き、壁一面を覆う白いカーテンの一部をめくる。
そこにあったのは、アルスエルナ王国では珍しいスライド式の白い扉。
隣に設けられている中央区司教補佐専用の部屋と往来する為の隠し扉か。
こういう非常時に、部外者から見えない秘密の通路があるのは助かる。
助かりは、するのだけど……。
「あの、プリシラ?」
「なによ」
「いえ、その……それだけ、ですか?」
「何が?」
「無断で出歩くな、だけで良いのかな? と」
「……………………いじめられたいの?」
「滅相もありません。」
ねじ切れてもおかしくない勢いで頭を横に振る。
あ、ちょっと目眩がした。
「あのねクロちゃん。私はこれでも、ろくに事情も知らずに知ったかぶりの仮面を付けて善人気取りの風潮に乗って、悪いことをしたっぽい人達の話も聴かず
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