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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第49話 本選二日目と夜の尾行
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そういえばリート君は?」
「リートは残ってラウラとアネラスの相手をしてもらってるよ」
「えっ、アネラスさんも一緒にいたの?」
「うん、リートが八葉一刀流の使い手だから弟弟子として意気投合したみたい」
「へー、あの人もその八葉一刀流っていう剣術の使い手なんだ」


 まあそれを言うならカシウスもそうなんだけどね、と心の中で思ったわたしは本題に付いて二人に訪ねることにした。


「それで、エステルたちは何をしようとしてるの?」
「うーん、まあフィルならいいかしら。実はね……」


 エステルたちの話によると、つい先ほどエステルたちが宿泊している202号室に何者かが侵入したらしく手紙が置かれていたらしい、その内容は今夜22時に大聖堂まで来るようにと書かれていたようで二人は罠かもしれないが何かを得られると思い誘いの乗る事にしたらしい。


「どう、フィルは罠だと思う?」
「どうだろうね、でもリシャール大佐が何かしようとしてるのならこんな回りくどいやり方はしないと思う」
「なら別の何者ということか、実際に会うまでは油断できないけどやっぱり僕一人で向かった方が……」
「コラ。それは駄目だって言ったでしょ?あたしだって遊撃士なんだから危険は承知の上よ。それにヨシュアに何かあったら嫌だもん……」
「エステル、最後の方が聞き取れなかったんだけど何か話した?」
「な、何でもないわよ!」


 ……ふーん、そういうことか。


「ねえエステル、ちょっといいかな?」
「な、なに?」
「もしかして……ヨシュアの事を異性として意識し始めたの?」
「ふえっ……!?」
「シー……その反応で分かったよ」


 わたしはエステルだけに聞こえるように小声で呟いた、それを聞いたエステルは顔を赤くして叫びそうになったのでわたしはエステルの口を再び押えた。


「二人とも、どうかしたの?」
「ううん、何でもないよ」
「そ、そうよ。何でもないから大丈夫よ……」


 怪訝そうな表情を浮かべるヨシュアにエステルが慌てた様子で誤魔化していた、これはちょっと面白い事になってきたかな。


「……さてと、そろそろわたしは帰るよ。これ以上二人の邪魔は出来ないしね」
「そ、そう……あ、ならリート君とラウラさんに伝言をしてほしいんだけど頼めるかしら?」
「伝言?それって何?」
「それはね……」


 エステルからリィンとラウラに伝言を預かったわたしは見回りをする兵士に気付かれないようにホテルへ戻った。


「ただいま、リィン、ラウラ」
「お帰り、フィー。ホテルの厨房を借りて夕食を作っておいたから食べてくれ」
「リィンのオムレツは絶品だったぞ、アネラス殿も食べていったがおかわりまでしたくらいだからな」

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