第49話 本選二日目と夜の尾行
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アネラスはリィンの手を取ると街道目掛けて走っていってしまった。
「……元気だね」
「そうだな。さて私たちも行くとするか」
「うん。あ、そうだ、私たちも手を繋いでいってみる?」
「手を?私は構わないが……」
「それじゃ私たちもレッツゴー」
わたしはラウラの手を取ってリィンたちの後を追いかけた。
―――――――――
――――――
―――
「いやー、いい汗かいたね!」
「まさか手配魔獣クラスの奴と連戦するとは思わなかったですがね……」
「だが良い修行になったな」
「疲れた……」
辺りが暗くなった夜、わたしたちはグランセルに戻って来ていた。
アネラスの後を追って街道に出たのは良かったんだけど手当たり次第に魔獣と戦う事になってわたしとラウラも参加することになった。
そのせいでリィンとわたしはもうすっかり疲れ果てていた。ラウラとアネラスは満足そうな表情をしてるけどね。
「もうこんな時間か、というかさっきから軍人の人が町を徘徊しているな」
「どうやら警備を強化したみたいだね、絡まれると厄介だし今日はもうホテルに戻ろっか」
軍人に絡まれるのは嫌だったのでわたしたちはさっさとホテルに向かおうとしたが、わたしはホテルから誰かが出てきたのを偶然目にしてしまった。
(今のってもしかして……)
わたしはリィンにこっそり話しかけた。
「リィン、ちょっと別行動をしてもいいかな?」
「どうかしたのか?」
「ちょっと気になることがあって……隠密行動はわたしの得意分野だから一人で大丈夫」
「……無理はするなよ」
「うん、ありがとう」
小声でリィンと会話した後にわたしはこっそりとその場を離れて路地裏に向かった。人の気配を探りながら奥へ進んで行くとお目当ての人物を見つけることが出来た。
「やっほー、エステル、ヨシュア」
「フィル!?どうしてここに!?」
「シー、見つかっちゃうよ?」
驚くエステルの口を手で塞ぎ身を屈めさせる、ヨシュアも気が付いたようで直に身を屈めた。するとそこに数人の軍人が見回りに来たがわたしたちに気が付くことはなく去っていった。
「……行ったね」
気配が無くなったことを確認するとわたしはエステルの口から手を離して二人に話しかけた。
「危なかったね、この辺は特に徘徊する人数が多いから気を付けた方がいいよ」
「フィル、あなたどうしてここにいるの?」
「ホテルから出ていく二人を見てなにかあったのかなって思って」
「見られていたのか……」
まさか目撃されていたとは思っていなかったようでヨシュアはしまった、という表彰を浮かべていた。
「
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