第49話 本選二日目と夜の尾行
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りだな」
「し、試合終了!勝者、紅の組、ロランスチーム!」
倒れるキールを見た審判が慌てて試合終了の合図を出した。
「……圧倒的だな」
「うむ。空賊たちも途中までは奮闘していたがロランス少尉が動いた瞬間崩されていたな」
情報部が決勝に出る以上、エステルたちが目的を果たすためにはあいつらを倒さないといけない。でも本当にあんな化け物のような奴に勝てるのだろうか。
(でも実際に戦うのはエステルたちだから、信じるしかないよね……)
控室に去っていくロランス少尉を見ながらわたしは、明日の試合にエステルたちが勝てるように空の女神に祈りを捧げた。
―――――――――
――――――
―――
「うえ―――――ん!弟弟子君、悔しいよ――――――!」
「あ、姉弟子……」
グランアリーナ前の広場でアネラスがリィンに泣きついていた。エステルたちに負けた事が実はかなり悔しかったらしく今になって涙が出てきてしまったらしい。
アネラス以外の遊撃士メンバーはグラッツがジンたちと酒場に向かいカルナはホテルに戻りクルツがグランセルのギルドに戻り溜まっていた仕事をこなしに向かった、仕事熱心だね。
「わたし、わたし正遊撃士になったのに……新人君たちに負けちゃうなんて……」
「姉弟子、厳しい言い方をしますが正遊撃士になって気が緩んでいたんじゃないですか?エステルさんたちは自分を高めようと毎日修行や依頼をこなしていたと聞きます。でも姉弟子の太刀筋には若干のムラがありました」
「……そうかもしれない。私、正遊撃士になって一人前になれたんだーって思ってた。それで鍛錬をサボってアイス食べたりしてたから負けちゃったんだね」
「ア、アイスですか……まあ姉弟子なら直にエステルさんたちにも追いつけますよ。それにいいライバルが現れたと思えばいいじゃないですか、なあラウラ?」
「うむ、私もリートやフィルといった好敵手や友人が出来た事で成長することができた。アネラス殿とエステル殿ならお互いを高め合える好敵手になれるだろう」
「……そっか、そうだよね!新人君に負けたから悔しいんじゃなくて怠けた自分が悪いって思わなくちゃ!それにライバルが出来ればいい刺激になるって昔お爺ちゃんが言っていたしポジティブに考えないとね!」
さっきまで泣いていたアネラスは今ではピカッと光るような笑顔を出してやる気になっていた。こういう前向きな性格って羨ましいね。
「よーし、じゃあ早速特訓に付き合ってもらうからね!」
「えっ、俺がですか?」
「勿論、姉弟子のお願いだよ!」
「はあ、まあ構いませんが……」
「それじゃレッツゴー!」
「うわわ、引っ張らないでくださいよ、ちょ、姉弟子!?」
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