第49話 本選二日目と夜の尾行
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ください』
アナウンスの指示が入ると、空賊たちと黒装束たちは開始位置に移動した。
「双方、構え……試合開始!」
審判の合図とともに試合が始まった。空賊たちが真っ直ぐにロランス少尉を攻撃しようとする、だが彼の部下3人が行く手を遮った。
「ロランス少尉は動かないつもりか?」
「様子見をしているのかそれとも遊んでいるのか……まあ後者だろうな」
リィンはロランス少尉の行動を遊びだと言ったが多分その通りだと思う。あいつが動けば勝負は直に決まる、でも空賊たちの目的が復讐だと知っているので敢えて試合を長引かせようとしているのかもしれない。
「ふむ、空賊のチームが一人やられてしまったか……」
ラウラの視線の先には戦闘不能になり膝立ちをしている空賊の下っ端の姿があった。残ったリーダー格の3人は連携を駆使して黒装束たちと互角に戦っていた。試合が始まって5分ぐらいが経過したころ、黒装束たちを振り払ったドルンが斧を振り上げながらロランス少尉に飛び掛かった。
「舐めた真似しやがって!これでも喰らえ!」
「……」
ロランス少尉に目掛けて振り下ろされた斧、それに対してロランス少尉はかわそうとしなかった。誰もが直撃すると思ったその時、わたしたちは信じられない光景を目の当たりにした。
「なっ!?」
「……」
ロランス少尉は片手で斧を受け止めてドルンごと宙に浮かばしていた。自分よりも体格の大きい人間を武器と一緒に宙に浮かばせるなんて……信じられない膂力だね。
「てめぇ!このっ、離しやがれ!」
ドルンは武器を離させようとするがロランス少尉は微動だにしない。
「……時間だ」
「がはぁっ!!?」
ロランス少尉は空いていたもう片方の腕で大剣を振るいドルンの脇腹に攻撃した。刃が潰されているとはいえ金属の塊で脇腹を攻撃されればたまったものじゃない、ドルンは悲痛の表情を浮かべながらアリーナの壁に叩きつけられた。
「ドルン兄!?こいつっ!!」
「よせ、ジョゼット!!」
兄がやられた事で怒りが頂点に達したのだろう、ジョゼットがロランス少尉に銃を構えるが銃弾が放たれる前にロランス少尉が一瞬で離れていたジョゼットの前に現れて銃身を斬っていた。
「……えっ」
「はぁっ!」
ロランス少尉の蹴りがジョゼットに当たり彼女は場外まで吹き飛ばされた。
「くそ、せめて一撃だけでも……!!」
残ったキールが煙幕爆弾をロランス少尉に投げて剣を持って突っ込んでいった。煙が晴れそこにあった光景、それはキールの腹に大剣の柄を叩き込んでいたロランス少尉の姿だった。
「がはっ……!」
「終わ
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