第49話 本選二日目と夜の尾行
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の場から離れようとするが何かにぶつかってしまい足を止めてしまった。
「しまった、これは……!?」
「誘導、されたのか!」
グラッツの傍にはヨシュアに動きを止められたクルツとエステルに吹き飛ばされたカルナが立っていた。3人はちょうど真ん中に来るように動かされていたことに気が付くが時すでに遅し、クロックダウンの効果を受けてしまい動きが鈍ってしまった。
「決めるぞ、オリビエ!」
「セッションは任せてくれたまえ」
ジンのSクラフト『雷神掌』とオリビエのSクラフト『ハウリングバレット』がクルツ、カルナ、グラッツを挟み込むように直撃した。煙が晴れると武器を落として膝立ちをする3人の姿があった。
「そこまで!勝者は蒼の組、ジンチーム!」
審判の試合終了の合図と共に観客たちは大きな歓声を上げた、まるでグランアリーナを震わせるかのような大歓声だね。
「勝ったのはエステルさんたちか、どちらが勝っていてもおかしくない良い勝負だった」
「そうだな、手に汗握るとはまさにこの試合の事だ」
リィンとラウラも二つのチームに大きな拍手を送っていた。アリーナの真ん中でお互いのチームが相手を称え合っていた。最後にエステルとアネラスが握手をして第5試合は幕を閉じた。
『続きまして第6試合を開始いたします』
アナウンスの紹介によって現れた空賊チームは後から現れた黒装束たちを見るなり強い敵意を露わにしていた。
「空賊たち、凄く怒っているね」
「空賊たちからすれば黒装束たちは自分たちを利用して切り捨てた憎き怨敵だからな、敵意をむき出しにするのも無理はないだろう」
空賊たちが起こした事件には黒装束たち……王国軍情報部が関わっていた、だが空賊たちは犯罪者として捕まり情報部を率いるリシャール大佐は事件の解決者として大きな支持を得ている。空賊たちがまったく悪くないとは言わないが違う見方をすればあいつらも被害者みたいなものなんだね。
「よう、待っていたぜ、仮面の兄ちゃん。ようやくてめぇらに借りを返せると気が来たな」
「へへ、あの侯爵には感謝しないとな」
「……ふふ」
「な、何がおかしいのさ!?」
「エレボニアの没落貴族、カプア男爵家の遺児たち。悪徳業者に領地を横取りされ、お家復興のために空賊稼業……何とも涙ぐましい話だと思ってな」
「て、てめぇっ!?」
ロランス少尉の声は小さいのでこちらには聞こえなかったが、ドルンたちが怒っているのを見ると恐らく挑発されたようだ。
あの怒り具合からしてよっぽど気に障るような事を言われたんだろう、全員顔を真っ赤にして怒っていた。
『これより武術大会、本選第6試合を行います。両チーム、開始位置について
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