第49話
[7/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「勿論了承し、その日にヴァイス様に今まで守っていた私の純潔を捧げました。そしてヴァイス様は約束通り、カイエン公爵家(私達)を含めた元エレボニアの貴族達の立場を守ってくれましたし、私自身の事も信頼し、大切にしてくださっています。」
「えっと……ユーディット皇妃陛下はいきなり純潔を捧げる事を躊躇わなかったの?普通は躊躇うのだと思うのだけど……」
「一瞬躊躇いはしましたが、ヴァイス様が”好色家”だからこそ私の申し出を受け入れてもらえると思い、ヴァイス様の性格を承知の上で側室になる事を申し出ましたから、”そう言った条件を求められる事”も想定していました。………さすがに、側室を申し出たその日に純潔を捧げる事になるとは予想していませんでしたが。」
「ユーディったらそんなとんでもない事をよく他人事のように話せるわよね……?」
ゲルドの質問に対して答えた後苦笑したユーディットにキュアは呆れた表情で指摘した。
「……っ!そんなとんでもない要求を受け入れたユーディット皇妃陛下はそんな形で好きでもない男性に女性にとって一番大切なものを奪われて本当によかったんですか……!?」
「私は皆さんもご存知のように”貴族”―――それも貴族の中でも相当地位が高かった”四大名門”の一角ですから、”家”の利益の為に政略結婚として好きでもない殿方に嫁ぎ、操を捧げる覚悟はできていましたし………それに、レン皇女殿下も仰ったように今ではヴァイス様の事を心から愛していますから、ヴァイス様に純潔を捧げた事に後悔はしていませんわ。」
「ヴァイスハイト陛下は一体どのようにして、ユーディット皇妃陛下の心を奪ったのでしょうか?」
唇を噛みしめた後厳しい表情を浮かべたユウナの質問に静かな表情で答えた後微笑んだユーディットにエリゼは不思議そうな表情で訊ねた。
「そうですね……色々ありますが、一番の理由は側室になる事を申し出たその日に純潔を捧げる事を要求した後に口にしたヴァイス様のお言葉がきっかけだと思いますわ。」
「えとえと……ヴァイスさんは何て言ったんですか?」
ユーディットの説明の中になったある事が気になったティータはユーディットに訊ねた。
「『俺は女性全員を等しく愛し、幸せにする主義だ。いつか必ずお前に俺を惚れさせ、家の為に俺に嫁いだ事が幸せである事を思い知らせてやろう。何せ俺の好きな物の一つは女性の笑顔であり、嫌いなものは女性の涙だからな!』……今思い返すとヴァイス様の事を殿方として気になり始めたのきっかけはその言葉だと思いますわ。」
「ふふっ、それもまたヴァイスハイト陛下らしい答えですわね。」
「ああ………」
「クスクス……やっぱりヴァイスさんはヴァイスさんですね。」
「何というか………端麗な容姿とは裏腹に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ