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空に星が輝く様に
223部分:第十六話 深まっていく疑惑その九
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第十六話 深まっていく疑惑その九

「組み立て体操も創作ダンスも」
「入場行進もなくて開会式だけだしな」
「何か随分違いますね」
「あの入場行進とかの練習は何だったんだ?」 
 陽太郎は首を傾げさえしていた。
「結局。何だったんだ?」
「中学校までは必要だったんでしょうか」
「そうなのかな。ああした時って先生の質もわかるしな」
「質もですか」
「怒っても生徒に認められる先生っているからな」
 陽太郎は小学校や中学校のことを思い出しながら月美に話した。その運動会の練習の時をである。その時に他ならなかった。
「けれどその逆にな」
「認められない先生もですか」
「いるからな」
 こう話すのだった。
「そういうのもあるからな」
「先生を見る為のものでもあるんでしょうか」
「結果としてそうじゃないか?」
 こう月美に話す。
「やっぱりな」
「そういうものなんですか」
「はっきりとはわからないけれどな」
 断言は避けた。
「そうじゃないのかな」
「そうですかね」
「まあそれで競技に出て応援して」
「応援もですよね」
「俺そっちがメインになったから」
「頑張って下さいね」
 月美は優しい笑みを浮かべて言ってきた。
「応援。頑張って下さいね」
「いや、それはまずいだろ」
 陽太郎は今の月美の言葉には笑って返した。
「流石にさ」
「まずいですか?」
「まずいさ。だってクラス違うからさ」
 このことを話して駄目だというのである。
「だから。それはまずいだろ」
「いえ、スポーツマンシップですから」
 月美はそれを話に出して反論してきた。
「ですからそれは」
「いいっていうのか」
「敵味方でも立派だったら褒めればいいと思います」
 月美は静かだが確かな言葉で語った。
「それで」
「そういうものか」
「そうだと思います」
 また言うのだった。
「私は」
「そうか」
 月美のその言葉を聞いてだ。陽太郎は目から鱗が落ちた感じだった。
 しかしだ。一応はこう返した。
「それでもな」
「それでも?」
「おおっぴらにはしない方がいいよな」
 これが今の彼の言葉であり考えだった。
「ちょっとな」
「いいですか」
「周りの目があるからさ」
「それでなんですね」
「うん、大人しくしよう」
 こう月美に告げた。
「それでいいよね」
「そうですね」
 月美は陽太郎の今の言葉に素直に頷いた。
「それじゃあ」
「俺達それぞれのクラスで楽しもう」
 陽太郎はこうも彼女に話した。
「そうしよう、運動会はさ」
「はい、わかりました」
 またしても素直な返答だった。
「それじゃあ」
「そうしよう。それでさ」
「はい、今度は一体」
「月美は何か競技に出るのかな」

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