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=病院編= ゲキジョウセレクト
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かして末期の病?などという心配も抱いてしまう。

「この間、偶然にも雄英体育祭で君と轟くんが戦うところを見たよ。私の受け持っている患者がそれを見ててね」
「………」

 話の意図が読み取れず、様子見で口出しを控える。

「名前を聞いてまさかと思ったよ。印象に残ったとは言ったけど、本音を言うとその映像を見ていて思い出した。君に施術を施していたことを。実を結ぶとは思っていなかった実験の結果が突然現れた気分だよ」
「続けろ」
「……怖い顔だ、水落石くん。しかしその感情の正当性を私は否定できない。これは懺悔か、それとも罰か。今ここに、私が過去に犯した過ちの話をさせていただこう」

 この男は、施術と言った。俺に手術を受けた経験などないし、予防注射以外で病院にお世話になったこともほぼない。その中で出てきた施術、そして実験というワードは、俺に敵意と猜疑心を抱かせるには十分すぎる不吉さを内包していた。

「私には、幼馴染がいた」

 俺は聞き届けなければならない。この男が、俺に何をしたのかを。




 私の幼馴染は、儚げな女の子だった。

 幼稚園、小学校、中学校までは仲がよかった。

 いや、これは正確ではない。彼女との関係は今も良好と言っていい。

 より正確には、彼女の時は中学校時代で止まっているのだ。

 彼女はその時代の個性知識では解明することの出来ない『なにか』を受け取る個性だった。

 彼女は子供の頃からそれを持ち、まるで悟りを開いたようだった。

 触れ得ず見えざるあらゆるものを認識していた。

 余りにも知り過ぎる為に敬遠する友達もいたが、彼女生来の優しさがそれを打ち消した。

 そして中学に入学して間もなくの頃だったろうか。

 彼女は突然寝たきりになり、意識を失った。

 私が医者を志したのは、彼女の眼を覚まさせるためだった。

 或いはそれは初恋であったのだろう。彼女を想う気持ちはあの頃のままだ。



 彼女は、時折ふと目を覚ましてもすぐに眠ってしまう。

 不思議なことに筋力が衰えず、点滴を打たずとも痩せず、彼女は時間に置いてけぼりにされていた。

 今も彼女は中学時代の姿のまま、長い睡眠と短い覚醒を繰り返している。

 私はこの現象は個性と密接な関りがあり、外部から個性に干渉すれば防げるのではと考えた。

 そのために様々な道を模索し、気が付けば私は闇の社会にその道を探すようになっていた。

 目的のためとはいえ、犯罪者たちと、医者の立場を利用した悪事に加担した。

 その見返りに得られた様々な知識、設備、伝手、全てを彼女に注ぎこんだ。

 個性を封じる個性。個性を操る個性。どれも失敗した。

 やがて闇社会の力も弱ま
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