第69話 新体制
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艦隊は6割近くを失い、第9艦隊は5割を失う大損害であった。帰投するシャトルを迎える家族達と遺族の群れが連行されるコーネフ中将に罵声を浴びせる。
「この野郎!自分だけ帰って来やがって!」
「お父さんを帰してよー!」
「死ね!!」
MPがガードしなければ、暴動が起こるほどに遺族達の怒りがふくれあがっているのである、何故ならい通常であれば、今までは最高評議会も同盟軍も敗戦を糊塗し、今回も我が軍の大勝利と嘘の報道を行っていたが、今回はシトレ元帥のアドバイスで、アンダーソン最高評議会議長、カスター国防委員長、レベロ財務委員長、ホアン人的資源委員長が出兵に反対した事と同盟軍上層部も出兵を反対した事、そして一部評議会委員と一部軍部が、市民を煽動しこの敗戦を招いたと知らせるために敢えて正確に報道したのである。
その為、良識派市民は煽動を行った憂国騎士団に迎合する危うさをヒシヒシと知る事になったのであるが、普段は戦争を賛美するトリューニヒトが、今回に関しては戦争に反対していた事で、トリューニヒトは、市民の支持を得てしまい最高評議会へ入閣に大手をかけていたのである。
トリューニヒトは排除不能であったが、リーファは転んでもただでは起きない人間なのだった。この敗戦を利用してサンフォード達のような支持率と選挙票を気にするだけの政治屋共を政権から追放する事と、軍部にいる主戦派に対し釘を刺す事を目指したのである。
コーネフ大将の収監と降格が速攻で決まり、罪状を調べるために憲兵隊による取り調べが始まっていた。アップルトン中将とホーランド大佐も調書を取られている状態で有る。又アル・サレム中将は折れた肋骨が肺に刺さり重傷で長期入院と成った。
唯一ホーウッド中将は統合作戦本部に出頭し労いを受けて居た。
「シトレ元帥、折角の作戦を完遂できず申し訳ありません」
「いや、ホーウッド中将は良くやってくれた、貴官の活躍がなければ更に被害が増えていたはずだ」
「ありがとうございます」
「暫くは戦闘もないだろうから、ゆっくり休み鋭気を養ってくれ」
「はっ」
ホーウッド中将が帰還後、ヤン、ワイドボーン、リーファがシトレの元へ呼ばれた。
「ワイドボーン准将以下入ります」
「入りたまえ」
部屋に入ると、少々疲れ気味に見えるシトレが迎えてくれた。
「やはりアッテンボロー准将の危惧した通りの結果に終わったな」
開口一発目の挨拶が此である。
「はい、コーネフ中将が彼処まで酷いとは思いませんでしたが」
「アッテンボロー、ああ言うのを阿呆と言うんだな」
「権力に酔ったと言う訳だな。彼を代行に選んだのが間違えだったな」
「しかし,あの時点ではサンフォード副議長のごり押しもありましたから、本部長だけの責任ではありませんよ」
「そうです、此
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